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「三重苦」で限界認めた正恩氏 対米外交は「白紙」に

19日の朝鮮労働党中央委員会総会に出席して話す金正恩党委員長=平壌(朝鮮中央通信=共同)
19日の朝鮮労働党中央委員会総会に出席して話す金正恩党委員長=平壌(朝鮮中央通信=共同)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮労働党は、経済の成長目標に達しなかったとの判断を示し、来年1月に党大会を開くことで出直す方針を打ち出した。国際社会の制裁に加え、新型コロナウイルス対応や水害という「三重苦」に見舞われ、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長が限界を認めた形だ。11月の米大統領選を控え、対米外交の方向性も事実上、「白紙」の状態に置かれている。

 正恩氏が党委員長という新たなポストに就いた2016年5月の前回党大会では、核開発と経済建設を同時に進め、「東方の核大国」として自国を輝かせると主張した。17年11月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射で「国家核戦力の完成」を宣言し、翌年には正恩氏がトランプ米大統領と史上初の米朝首脳会談に臨むなど、その後も順調に推移するかに見えた。

 だが、ベトナム・ハノイでの19年2月の米朝首脳再会談が物別れに終わったことで歯車が狂い始める。

 党創建75周年を10月に控える今年は、前回党大会で掲げた「国家経済発展5カ年戦略」の最終年だが、新型コロナウイルス対応のための国境封鎖や、水害が北朝鮮の経済を直撃した。

 韓国貿易協会が20日に公表した報告書によると、北朝鮮と中国の今年1~6月の貿易額は前年同期比で67%のマイナスになった。

 正恩氏は、平壌の総合病院建設に力を注ぐなど、市民生活に心を砕く指導者像をアピールし、何とか威信を保っているのが実情だ。

 一方で、19日の党中央委員会総会では、新たな核兵器開発を誇示するといった米国を刺激する文言は見受けられなかった。米朝交渉が滞る中でも北朝鮮は、正恩氏とトランプ氏の親交を繰り返し強調してきた。

 トランプ氏の再選に期待をかけつつ、本格的な対米方針の練り直しも来年初めの党大会まで持ち越す姿勢が垣間見える。

 正恩氏の妹、金与正(ヨジョン)党第1副部長は7月の談話で「米国の決定的な立場の変化がない限り、今後も朝米首脳会談は無益だ」と牽制(けんせい)した。米朝関係の打開を、米側の譲歩にすがろうとする北朝鮮の行き詰まった内実を物語っている。

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