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「対イラン武器禁輸延長」決議案否決 支持広がらず 国連安保理 

ニューヨークの国連本部(ロイター)
ニューヨークの国連本部(ロイター)

 【ニューヨーク=上塚真由】欧米など6カ国とイランが結んだ核合意に基づき10月に期限切れを迎えるイランに対する武器禁輸措置をめぐり、国連安全保障理事会は14日、禁輸措置延長を求める米国提案の決議案を否決した。採択には9カ国の賛成が必要だが、賛成2カ国、反対2カ国、棄権11カ国だった。

 採決の結果を受け、米国のクラフト国連大使は声明で「武器禁輸を延長するためにはいかなる手段も辞さないという約束を、数日中に実行する」と警告した。核合意では、いずれかの参加国が「合意違反がある」と判断すれば、武器禁輸を含む国連制裁を復活させる「スナップバック」という仕組みが盛り込まれ、米国は今回、この仕組みを発動させる可能性がある。

 当事国で協議した後、解決できなければ安保理に持ち込まれ、安保理が30日以内に制裁解除を継続するという決議案を採択しない限り、制裁は復活する。決議案に拒否権を行使できる米国がスナップバック発動に踏み切れば、核合意の崩壊につながる恐れもある。

 ロシア大統領府は14日、事態の緊迫化を避けるため、米国を含む核合意当事国の首脳にオンライン会合の開催を呼びかけた。

 米国は当初、イラン貨物の臨検なども盛り込んだ決議案を安保理の理事国に配布したが、今週、禁輸措置の延長に内容を絞った修正案を提示。禁輸措置について「安保理が新たに決定するまで」継続するとしていた。だが、採決の結果、賛成したのは米国のほかはドミニカ共和国だけで、イランと近い中国とロシアが反対、核合意の当事国である英仏独などは棄権に回った。英仏独は武器禁輸の解除を警戒するが、核合意の維持を重視する立場から妥協案を調整している。

 トランプ米政権は、武器禁輸解除に伴うイランの軍事力強化を懸念。禁輸措置延長のため最終手段としてスナップバック発動を示唆しているが、中国やロシアは、米国について18年に核合意の離脱を宣言したことから「参加国」に当たらず制裁再発動を求める資格はないと主張している。

 11月の米大統領選に向けて、トランプ政権には対イラン強硬姿勢をアピールしたい狙いもあり、イラン問題をめぐり、各国の駆け引きが活発化することが予想される。

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