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アザー米厚生長官が訪台 蔡英文総統と会談へ 新WHOなど協議

台湾・台北市の空港にチャーター機で到着し、手を振るアザー米厚生長官(左から2人目)=9日(台湾外交部提供・共同)
台湾・台北市の空港にチャーター機で到着し、手を振るアザー米厚生長官(左から2人目)=9日(台湾外交部提供・共同)

 【台北=矢板明夫】米国のアザー厚生長官が9日、中国の猛反対を押し切って台湾を訪問した。1979年に米国と台湾が断交した後、台湾を訪れる最高位の米高官として、蔡英文総統と会談するほか、新型コロナウイルス対策を担当する台湾側の閣僚らとも面会する。台湾当局の関係者によると、世界保健機関(WHO)に代わる新しい国際組織を立ち上げる可能性についても意見が交換される。

 台湾メディアなどによると、アザー氏は10日午前にトランプ大統領の名代として蔡総統と会談する。その後、外交部(外務省に相当)や衛生福利部(厚生労働省)などの官庁も訪問、感染症対策の指揮官としてコロナ感染者を低く抑えた陳時中・衛生福利部長(厚生労働相)らと意見を交換し、マスクの製造工場なども視察する。一部の台湾メディアは、アザー氏が7月30日に死去した李登輝元総統を弔問する予定もあると伝えている。

 トランプ氏は2018年、米台要人の相互訪問を推進する「台湾旅行法」に署名した。今回のアザー氏の訪台はその最初のケースに当たる。中国は事前に「『一つの中国』原則に違反した」として猛反発し、「力強い反撃措置をとる」(外務省報道官)と警告したが、米国側に完全に無視された形だ。貿易摩擦や香港の人権問題などの対立によって米中関係は最近、急速に悪化したため、米国側は台湾問題で中国に対し配慮をみせることはほとんどなくなったといえる。これから台湾側の高官の米国公式訪問を受け入れるとも報じられており、米台関係はさらに緊密化する。これに対し、中国が台湾海峡周辺で軍事演習を実施するなど、対決姿勢を強める可能性もある。

 一方、中国の圧力で長年WHOから排除されている台湾を米国が支援してきた経緯がある。今年春、アザー氏は台湾のWHOの年次総会へのオブザーバー参加を支持する姿勢を打ち出し、その後、トランプ政権はWHOからの脱退を発表した。台湾側は、WHOに属さない米国と台湾が中心となり、保健衛生を取り扱う新しい国際組織を立ち上げる構想を持っている。台湾当局の関係者は「中国の影響下にある今のWHOは信用できないため、理念の近い国だけを集めて新しい組織をつくりたい。米国にその旗振り役をやってもらいたい」と話し、蔡氏とアザー氏の会談で新WHO構想を取り上げることを示唆した。

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