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レバノン政情不安に拍車も 大規模爆発 周辺国、支援で影響力増大狙う

大規模爆発が起きたレバノンの首都ベイルートで、行方不明者の捜索をする兵士ら=5日(AP=共同)
大規模爆発が起きたレバノンの首都ベイルートで、行方不明者の捜索をする兵士ら=5日(AP=共同)

 【カイロ=佐藤貴生】4日に大規模爆発が起きたレバノンでは、経済低迷などで昨秋から反政府デモが相次いでおり、爆発をめぐる政府の対応次第では政情不安が強まりかねない。中東諸国の利害が絡み合う地政学的に重要な国でもあり、周辺国には支援を通じて影響力を増大させようとの思惑もうかがえる。

 爆発は首都ベイルートの中心部に近い港湾地区で起きた。地元メディアは周囲の高層住宅の窓ガラスが爆風で吹き飛び、人々が血まみれで逃げ惑う姿を放映。現場から約5キロ離れて暮らす20代後半の公務員男性は「外出先から戻ったら、部屋の窓枠が壊れて落ちており、小物も散乱していた」と爆風の威力を語った。

 ブラジル紙は日本から逃亡した日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告の高級住宅街にある邸宅にも被害が出たと報じた。

 レバノンのアウン大統領によると、爆発現場とみられる倉庫にあった硝酸アンモニウム2750トンは過去6年間、保安措置を取らずに保管されていた。当局はテロの可能性を排除していないが、ずさんな管理が一因であれば、政権に批判が向かう可能性がある。

 レバノンは3月、債務不履行(デフォルト)を宣言し、7月下旬には新型コロナウイルスの感染拡大でバーや映画館などの営業規制に乗り出した。英BBC放送によると、政府は爆発を受け、6600万ドル(約70億円)の緊急支援を行う方針だが、国民の痛みを和らげられるかは不明だ。倉庫が爆発で破壊され、レバノンの穀物備蓄は1カ月分を切ったとの情報もある。

 一方、爆発を受け、イスラエルやイラン、サウジアラビアなど中東の周辺国はそろってレバノン政府に支援を申し出た。

 イスラエルはレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラと敵対し、7月下旬にも、ヒズボラが潜伏しているとしてレバノンとの国境地域に迫撃弾を撃ち込んだばかりだ。苦境のレバノンへの支援申し出には、ヒズボラが影響力を持つレバノン政界を揺さぶろうとの狙いがあるとみられる。

 イランはヒズボラの後ろ盾で、イスラエルとは宿敵の関係にあり、レバノンへの支援にはヒズボラへのテコ入れの意味がある。スンニ派のサウジなども、レバノン国内でそれぞれ後押しする政治勢力を支援する思惑があるとみられる。

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