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日本製鉄の韓国内資産が売却可能に 「公示送達」の効力発生

日本総領事館近くに設置された徴用工像=令和元年9月6日午後、韓国・釜山(鈴木俊輔撮影)
日本総領事館近くに設置された徴用工像=令和元年9月6日午後、韓国・釜山(鈴木俊輔撮影)

 【ソウル=名村隆寛】いわゆる徴用工訴訟で新日鉄住金(現・日本製鉄)に賠償を命じた韓国最高裁の確定判決を受け、大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支部が6月にとっていた日本製鉄への資産差し押さえ命令の「公示送達」の効力が4日、発生し、韓国国内の同社の資産の現金化(売却)手続きが可能となった。裁判所は原告側が求めている資産の「売却命令」の発出への検討を本格化させる。

 日本製鉄は4日、「即時抗告を予定している」とのコメントを出した。

 公示送達は裁判所のホームページなどに掲示されることで通知書類が被告側に届いたとみなすもの。6月1日に決定され、指定された期限の4日午前0時が過ぎたため、事態は新たな局面を迎えた。

 日本製鉄の韓国内での保有資産は、韓国鉄鋼最大手「ポスコ」と合弁で設立したリサイクル会社「PNR」の株式。原告側は約19万4千株を差し押さえており、うち約8万株が公示送達の対象だ。11日までに日本製鉄による抗告がない場合、差し押さえは確定する。裁判所が命令を出せば、原告は資産評価など株式売却に向けた次の手続きに進むことができる。

 韓国最高裁は2018年10月に、日韓請求権協定(1965年)では元徴用工らの個人請求権は消滅していないとし、原告4人に計4億ウォン(約3700万円)の賠償を命じた。

 日本政府は「個人請求権の問題は日韓請求権協定で解決済み」との立場をとっており、韓国政府に「適切な措置」を講じるよう強く求め続けた。日本製鉄は賠償支払いや協議を拒否してきた。

 日本企業の資産現金化は「請求権協定に反し、企業に不当な不利益を負わせるもの」(日本政府)で、現実となれば、両国の関係のさらなる悪化は不可避だ。

 日本製鉄のほか、韓国では三菱重工業や不二越を相手取った訴訟の原告も資産を差し押さえている。

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