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シンガポール、選挙戦での兄弟喧嘩 首相弟が野党入党 「与党は道に迷っている」

シンガポールのリー・シェンロン首相(共同)
シンガポールのリー・シェンロン首相(共同)

 【シンガポール=森浩】シンガポールで10日、解散に伴う議会(一院制、定数93)選挙が投開票される。1965年の建国以来、政権を担う与党・人民行動党(PAP)の勝利は確実視されているが、選挙前から注目されているのはリー・シェンロン首相と、野党入りした実弟のリー・シェンヤン氏の兄弟対立だ。

 「今日のPAPはもはや父が作った党ではない。PAPは道に迷っている」。シェンヤン氏は選挙戦を前に野党「シンガポール前進党」に入党。自らの出馬は見送ったものの、政権批判を繰り返している。

 シェンヤン氏は政治とは距離を置いてきたが、兄との対立が表面化したのは、2人の実父で2015年に死去したリー・クアンユー元首相の遺言をめぐってだ。クアンユー氏は遺言で繁華街オーチャード・ロードに近い自宅について取り壊しを望んだが、政府は自宅がPAP結成の場となった経緯などから、「歴史的建造物」として保存する方針を示した。このことをシェンヤン氏は「遺志に反する」と批判していた。

 シェンロン氏は「選挙は、兄弟の争いの場ではない」として事態の沈静化を促したが、シェンヤン氏は政権批判をやめず、政府が野党勢力を弾圧するため「偽情報・情報操作対策法」を悪用しているなどと指摘している。

 ただ、「シェンヤン氏は政治的キャリアもなく、集票力には疑問符が付く」(外交筋)との意見が大勢で、PAPの優勢は揺るがなさそうだ。11年の選挙でPAPは得票率60・1%と過去最低を記録したが、15年の前回選挙では69・9%に回復した。リー家の名前はシンガポールで一定の存在感があることも間違いなく、シェンヤン氏の野党入りがPAPの得票率に影響するかが注目される。

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