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中国当局が言論統制強化 「極左」ユーザーも封殺に加担 

 【北京=西見由章】中国当局が言論統制を再び強化している。新型コロナウイルスの感染爆発が起きた1月から3月初旬頃にかけては、当局側の混乱もありインターネット上で政府批判の声が表面化したが、現在は検閲でほぼ封殺。こうした「上からの統制」だけでなく、愛国愛党教育を受けた若いネットユーザーが当局への批判者を集中攻撃する「下から」の言論弾圧も深刻化している。

 「極左集団とネット上のゴロツキたちが湖北省当局を動かした。極左がはびこるなら中国に未来はない」

 湖北省武漢の女性作家、方方氏は今月、湖北大が文学部の女性教授、梁(りょう)艶(えん)萍(へい)氏に党籍剥脱と授業禁止の処分を下したことにSNS上で、こう憤った。「極左」とは国内の全体主義的な愛国主義者らを指す。

 事の発端は、方方氏が封鎖下の日々をつづった「日記」をネット上に公開していたことだ。地方当局に批判的な内容で、米国やドイツでの書籍化が決まると「裏切り者」とネットユーザーから中傷を受けるようになった。

 梁教授は方方氏を支持。ネットユーザーらは梁教授への攻撃も始め、過去にSNSで、香港デモに参加して転落死した学生を追悼したり、南京事件の中国側発表の死者数を疑問視したりしたことを調べ上げて非難した。糾弾に後押しされた大学当局は「日本や香港に関して誤った言論があった」と梁教授の処分に踏み切った。

 北京の改革派政治学者は、外務省報道官が好戦的な表現を多用している現状に触れ「外務省は国内向けの宣伝機関になってしまった。仮想敵をつくれば国内の問題から目をそらすことができる」と指摘する。

 中国のメディア関係者も「国営中央テレビの司会者は動画サイトを使い、文革期のような激しい言葉で反米機運をあおり立てている」と懸念を示す。

 当局自身も言論の引き締めを図る。今年2月に習近平国家主席の退任を求める公開書簡を発表し、直後に広東省で拘束された法学者の許志永氏は6月20日までに正式に逮捕された。許氏とともに昨年12月、福建省で開かれた人権活動家らの集会に参加し、直後に拘束された弁護士の丁家喜氏も今月19日、国家政権転覆扇動の容疑で正式逮捕されている。

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