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南北対話の“破綻”決定的に 北の南北事務所爆破

南北の軍事境界線近くの都羅展望台から望む北朝鮮。開城工業団地=2017年12月27日、韓国・坡州市(松本健吾撮影)
南北の軍事境界線近くの都羅展望台から望む北朝鮮。開城工業団地=2017年12月27日、韓国・坡州市(松本健吾撮影)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮国営メディアは16日、北朝鮮の開城(ケソン)に設置した韓国との共同連絡事務所が同日、「完全に破壊された」と伝えた。韓国政府も爆破を確認した。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(ヨジョン)党第1副部長が13日、韓国の脱北者による正恩氏非難ビラの散布の報復として、事務所が「遠からず、跡形もなく崩れる光景を見るだろう」と予告していた。

 事務所は2018年の正恩氏と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の会談による合意で同年9月に開所した「南北対話の象徴」。北朝鮮は19年の米朝首脳再会談物別れ以降、経済協力事業の再開に踏み切らない韓国との対話を拒んできたが、南北対話の破綻が決定的となった。

 爆破に先立ち、北朝鮮の朝鮮人民軍総参謀部は16日、南北合意で非武装化された地域に軍隊を再進出させ、「前線を要塞化」するための準備に着手すると警告した。与正氏は13日、「次の敵対行動の行使権を軍総参謀部に委ねる」ともしていた。韓国と境界を接する開城や金剛山(クムガンサン)地域への部隊駐屯の可能性のほか、18年の軍事合意で取り決めた非武装地帯(DMZ)の監視所撤去をほごにし、軍事境界線一帯の軍備を強化することも想定される。

 文氏にとっての南北対話の“業績”を一つ一つ白紙に戻すことで、米国主導の対北制裁路線と手を切り、完全に北朝鮮側につかない限り、対話再開はないと行動で示した形だ。韓国の脱北者団体は朝鮮戦争勃発70年の25日のビラ散布を予告しており、北朝鮮が一層圧力を強める可能性が高い。

 北朝鮮メディアは「16日午後2時50分、大きな爆発音とともに事務所が無残に破壊された」と報道。爆発音や煙は韓国側からも確認された。新型コロナウイルス予防を理由に韓国側の人員は1月に撤収していた。

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