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【台湾有情】多様性と懐の広さ

5月24日、香港で起きた反中デモで、弾圧する香港警察(AP)
5月24日、香港で起きた反中デモで、弾圧する香港警察(AP)

 「金曜日にAITの前で米国の人権侵害に抗議するデモを行う、取材に来てほしい」。知らない人から送られてきた案内状である。AITとは米国の在台湾大使館に当たる「米国在台協会」の略称だ。米ミネソタ州で先月、黒人男性が白人警官に首を押さえつけられて死亡した事件に対する抗議で、デモの主催者は「中華統一促進党」とあった。

 以前、取材したことがある親中的なミニ政党だ。中国の国旗である五星紅旗を掲げて活動していることで知られる同党の党首、張安楽氏は、台湾最大の暴力団組織、竹聯幇(ちくれんほう)の元最高幹部。1990年代に指名手配され中国に逃亡し数年間滞在したこともあった。

 同党は昨年、香港で起きた反中デモで、弾圧する香港警察を全面的に支持する姿勢を打ち出していた。デモへの支持を求めて来台した香港の女性歌手、何韻詩(デニス・ホー)氏に、複数の同党関係者が赤いペンキをかけ現行犯逮捕されたこともあった。

 そんな政党が、米国の人種差別問題に関心を持っていたことに驚いたが、中国共産党の機関紙、人民日報のホームページを開くと、同党の主張とほぼ同じ内容が社説に書いてあった。  「やはり中国と行動を共にしているのか」と納得したが、この政党の活動を容認している台湾社会の多様性と懐の広さに感心した。(矢板明夫)

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