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チェコ上院議長、9月に台湾訪問へ 蔡英文氏との会談調整

 【台北=矢板明夫】チェコのビストルチル上院議長が8月末から9月上旬にかけて台湾を訪問し、蔡英文総統と会談する方向で調整されていることが11日までに分かった。台湾当局関係者が明らかにした。実現すれば、中国の圧力に対抗して「実務外交」を推進する蔡政権の対外関係での大きな成果となる。

 台湾メディアによると、ビストルチル氏は9日、チェコの首都、プラハで報道陣に対し「私は台湾に行く。これが正しい決断だと確信している」と話した。チェコの企業経営者ら経済界の要人も複数、ビストルチル氏に同行する予定だという。ビストルチル氏の発言に対し、台湾の外交部(外務省に相当)は「心から歓迎する」と表明した。台湾当局関係者は「新型コロナウイルスの流行状況など流動的な面があるが、訪台が実現すれば蔡総統と会談することになる」と話した。

 チェコは台湾と公式の外交関係はなく、これまでに国会議員や自治体首長らの訪台はあるが、準国家元首クラスである国会議長の訪問は前例がない。実現すれば、他国も例に倣い、台湾との関係を推進する可能性がある。中国は近年、台湾と外交関係のある国に対し経済支援などの外交攻勢を展開し、台湾と断交させてきた。これに対し、蔡政権は外交関係にこだわらず、価値観を共有する各国の政治家と交流を深める「実務外交」を展開してきた。

 チェコの上院議長の訪台をめぐっては、ビストルチル氏の前任のクベラ氏が昨年10月、プラハで行われた台湾駐チェコ代表部のイベントに出席し、今年2月の訪台を約束した。しかし、クベラ氏は中国大使館から脅迫されるなど大きな圧力を受け、1月に急死した経緯がある。ビストルチル氏は上院議長就任後、何度も「クベラ氏の遺志を引き継ぐ」と表明していた。

 親中派として知られるチェコのゼマン大統領は、中国からの投資誘致に力を入れており、台湾との接近に反対する姿勢を示してきた。しかし、大規模投資を約束していた中国のエネルギー企業「中国華信能源」が2018年に経営破綻し、投資の約束が守られなかったことから、チェコ国内で対中不信が高まっていた。

 中国はビストルチル氏の台湾訪問に反対を表明している。

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