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【正論7月号】中国発の詳細な金正恩「死亡情報」が物語るもの 産経新聞台北支局長 矢板明夫

北朝鮮の金正恩党委員長(朝鮮中央通信=共同)
北朝鮮の金正恩党委員長(朝鮮中央通信=共同)

 ※この記事は、月刊「正論7月号」から転載しました。ご購入はこちらへ

 今月は中国と北朝鮮の関係について取り上げたいと思います。というのも先日、北朝鮮の最高指導者、金正恩の容態をめぐって世界中のメディアが翻弄される出来事が起こったからです。「生存はしているが心臓に問題を抱えている」という情報もあれば「全く何の問題もなく健在」という情報もありました。「再起不能ではないか」「いやもう死亡しているのではないか」といった情報が錯綜した末、5月2日に20日ぶりに姿を現した金正恩の映像が北朝鮮の国営メディアから公表され、ひとまず「生存」は確かめられました。

 中国と北朝鮮は切っても切れない関係ですが、周辺国には推し量れない、ただならぬ空気が横たわっています。中国が北朝鮮の最高指導者の「死亡騒動」で、どんな動きをしたか。中国は今、北朝鮮にどんな思惑を抱いているか。そんなことを考えてみたいと思います。

 北京での特派員時代、独裁国家の指導者の動静をめぐって情報が流れ、その確認に走る-こうした機会はしばしばありました。金正恩の父、金正日の「死亡情報」の確認も実際に経験しました。いうまでもなく北朝鮮は極端な情報統制を敷く閉鎖国家です。最高指導者が何日も姿を隠し、動静がつかめない、といったことは珍しくない。金正日の「死亡情報」はそれまでも何度も流れました。

 「温家宝失脚説」「江沢民死亡説」といった中国の指導者の生死などについて確認に走ったこともあります。「習近平国家主席が暗殺されたらしい」「いや暗殺未遂だったらしい」という情報にも振り回されました。

 手にした情報を額面通りに受け止めるわけにはいかない。確認した結果、「全くのガセだった」なんて結末は珍しくないからです。ですが中には「当たり」もあります。はじめから目を背けるわけにはいきません。断片的に正しいが、ある部分が針小棒大に膨らまされていたり、逆に全体的には「はずれ」だが、権力内部の反目や暗闘、闘争が繰り広げられていることを示す場合だってあります。情報源が一定の思惑を込めて情報を流すのです。どこかに「毒」が盛られているのが当たり前。しかし、その「毒」がどこにあるかはわからない。確認した末、結局は、徒労に終わったケースだってあります。実に千差万別です。

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