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米就業者数2050万人減 歴史的な減少幅 米失業率14・7%、戦後最悪

 【ワシントン=塩原永久】米労働省が8日発表した4月の雇用統計(速報、季節調整済み)は、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月から2050万人減った。減少幅は過去最大だった1945年9月の約196万人の約10倍に達する空前の規模。失業率は14・7%と戦後最悪の水準に悪化した。新型コロナウイルスの感染拡大による米国の深刻な景気悪化は世界経済にとっても大きな打撃となる。

 就業者数は小売業で210万人、ヘルスケアで208万人それぞれ減少した。自動車など製造業の減少幅も133万人に達した。建設業や金融など幅広い分野で前月比マイナスとなった。

 市場予想は就業者数が前月比2千万人程度の減少、失業率が16%程度だった。

 3月の就業者数は87万人減(改定値)、失業率が4・4%だった。失職者の数は急増しており、今月2日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は316万9千件で、歴史的な高水準が続いている。

 労働省の1939年2月以降の統計によると、過去最大の減少幅は45年9月の195万9千人で、今回の発表はこれをはるかに上回り、米国の就業者数は約1億3100万人まで落ち込んだ。2008年の金融危機「リーマン・ショック」後、米国が積み上げてきた就業者数が1カ月で消失した計算になる。

 また、4月の失業率は、戦後の比較可能な統計で、1982年11月に記録した10・8%を大幅に上回った。リーマン・ショック後では10・0%が最悪の数値だった。労働省の推計によると、大恐慌時の33年には失業率が24・9%に達したという。

 感染者が世界最多の130万人に迫る米国では、経済活動が「凍結した」(米メディア)といわれるほど停滞している。感染対策の外出制限や営業規制が全米で実施され、失業者は外食や旅行などのサービス業だけでなく、製造業や建設業などでも急増。今年初めまで失業率が半世紀ぶりの低水準だった好調な雇用環境は完全に崩れ落ちた。

 欧州や中国、多くの新興国も記録的な景気失速に追い込まれており今後、米景気を下押しする要因になりかねない。米国の4~6月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比40%減との予測が出ている。米国の需要減少が海外の経済を冷え込ませ、世界経済が「負の循環」に陥る恐れもある。

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