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神話化した「団結する米国」 明治大・海野素央教授

明治大 海野素央教授
明治大 海野素央教授

 米共和党の現職、トランプ大統領による新型コロナウイルスへの対処方針は、11月の大統領選での再選に向けた活動と結びついている。経済活動の再開に絡め、自宅待機令が出ている中西部のミシガンとミネソタ、南部バージニアの3州を「解放せよ」と迫ったのがその一例だ。

 3州は知事が民主党系であることに加え、大統領選の激戦州。規制緩和を求める抗議デモを支えるトランプ氏の動きは、民主党の候補指名が確実なバイデン前副大統領への対抗策だ。

 バイデン氏支持を表明したオバマ前大統領は、バイデン氏を2008年のリーマン・ショック後、苦境にあった自動車業界に公的資金を注入して救った副大統領としてたたえた。私が今年2~3月に実施した現地調査では、前回選でトランプ氏に投票した民主党員が回帰し、共和党の保守本流の一部にバイデン氏支持の動きが出ていた。前回選でクリントン候補が結集させられなかった、サンダース上院議員を支持する若者を取り込めれば勝機がある。

 コロナ危機の中、トランプ氏の支持率は高まったが50%程度。01年の米中枢同時テロ後、90%近くまで上昇した当時の息子ブッシュ大統領のような勢いはなく、トランプ氏は元々の支持層を固めたとみている。

 一方、バイデン氏が当選したとしても、熱烈なトランプ・ファンが政権を支持するとは思えない。米社会の分断は固定化した。「危機に際し、星条旗の下に団結する米国」は神話化した。(聞き手 平田雄介)

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