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【主張】香港の民主派摘発 中国はコロナに乗じるな

 香港警察が民主派の主要メンバーら15人を一斉に逮捕した。昨年6月に反政府デモが本格化して以降、最大規模の摘発である。逮捕者には「香港民主主義の父」と称される李柱銘(マーティン・リー)氏も含まれる。

 国際社会は新型コロナウイルスとの戦いで手いっぱいである。香港も同じだ。民主派勢力は反政府・反中国共産党デモを自粛していた。その間隙(かんげき)を突くかのような弾圧に強い懸念を抱かざるを得ない。

 特に気がかりなのが中国政府の存在である。香港は一国二制度の下で高度な自治が保障されている。だが、香港政府が重要な決定を行う際、背後にはいつも中国政府が控えていた。今回も中国政府の指示を受けた摘発だと疑われても仕方がない。

 新型ウイルスの感染拡大という混乱に乗じて、香港での影響力を強めようとしているなら悪質である。国際社会は香港の動きに厳しい目を向けなくてはならない。

 香港で起きている憂慮すべき事態は、このことだけではない。中国側は最近、中国政府で香港政策を担当する「香港マカオ事務弁公室」などは、香港基本法22条の制約を受けないという見解を打ち出した。

 22条は「中国政府所属の各部門は香港特別行政区が管理する事務に干渉できない」などと定めている。その制約を受けないという見解は、中国当局が今後、香港問題にどんどん介入していくと宣言したに等しい。中国側の新たな見解を受け、香港政府も従来の解釈を変更し、これを追認した。

 香港では9月6日に立法会(議会)選が予定されており、昨年11月の区議会選で大勝した民主派勢力は、さらなる躍進を目指している。選挙が予定通り行われるかは予断を許さないが、中国・香港当局が民主派への締め付けをさらに強める可能性は十分にある。

 今回の一斉摘発に対し、ポンペオ米国務長官は「深い懸念」を表明した。英領香港時代に最後の香港総督を務めたパッテン氏は「中国と香港政府は、一国二制度を葬り去るために新たな一歩を踏み出した」と非難している。

 反政府・反中デモの担い手である香港の若者の中には、日本に親しみを感じている人も多い。アジアの民主国家である日本政府も香港での弾圧再燃に厳しい態度で臨むべきである。

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