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【世界の論点】防疫と民主主義

新型コロナウイルスの感染が広がるイタリア・ローマで、外出中の男性に近づく騎馬警察=4月10日(ロイター)
新型コロナウイルスの感染が広がるイタリア・ローマで、外出中の男性に近づく騎馬警察=4月10日(ロイター)

 新型コロナウイルスの感染が世界的に広がるなか、欧米をはじめとする民主主義諸国が、厳しい外出制限の適否に頭を悩ませている。民主主義の基本的な価値である「個人の自由」を侵害しかねないためだ。一足先に感染抑制に成功した中国は、こうした議論を横目に、共産党独裁体制の正当性の強化に余念がない。一方、民主主義体制でありながら抑制に成功している台湾にも注目が集まる。

■「自由の制限」に揺れる世論 英国

 「民主主義の手本」とされる英国では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために実施されている外出制限が個人の自由を侵害しかねないとの見方が広がっている。

 「(外出制限は)現代における個人の自由への最も重大かつ、全面的な干渉だ」

 英インディペンデント紙(電子版)は10日、英議会に設置された人権問題を議論する委員会で議長を務めるハリエット・ハーマン氏の発言を紹介した。英政府は先月23日から、生活必需品の購入や1日1回の運動などを除いて外出を禁止。その後、違反者に警察が罰金を科すことを定めた「緊急事態法」を成立させた。違反者が逮捕され、660ポンド(約8万9千円)の罰金を科せられた例も報告されている。同紙によると、ハーマン氏は警察が外出の取り締まりに必要以上に積極的になることを懸念している。

 英紙ガーディアン(同)も7日、緊急事態法について「英国民が数百年にもわたって得ることができた(移動の自由などの)基本的人権を、英議会は捨てる決断をした」とし、英政府は外出制限によって民主主義で保障された自由を放棄したとの見方を示した。同じく外出制限を実施したフランスやイタリアについても「国民の自由を否定した」(英国の政治学者)と指摘する声がある。

 一方で、英メディアは、外出制限は感染を抑制する「唯一の方法」と英政府の対応に理解を示している。英政府は当初、人口の一定割合がウイルスへの免疫を獲得することで感染を抑制する「集団免疫」の手法をとる方針を示していた。だが、感染者の増加で医療体制が崩壊する可能性に直面し、外出制限への方針転換を余儀なくされた。

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