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波紋呼ぶ中国船とベトナム漁船衝突事故 米比など抗議

中国外務省の華春瑩報道局長=北京(共同)
中国外務省の華春瑩報道局長=北京(共同)

 【シンガポール=森浩】南シナ海で中国海警局の船とベトナム漁船が衝突した事故が波紋を広げている。ベトナムのほか米国やフィリピンも相次いで中国に抗議。新型コロナウイルスの感染拡大を受けても南シナ海で強硬姿勢を継続する中国に対し、「挑発に適した時期ではない」(フィリピン政府)と反発の声が上がる。

 ベトナム政府の発表や地元メディアによると、事故があったのは2日。中国とベトナムが領有権を主張する南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島付近で、中国海警局の船が操業中のベトナム漁船に体当たりして沈没させた。漁船の乗組員8人は無事だった。

 ベトナム外務省は翌日、「中国の船はベトナムの主権を侵害し、乗組員を危険にさらした」などと抗議した。南シナ海で中国と領有権問題を抱えるフィリピンも8日に同調。3月には中国公船がスプラトリー(中国名・南沙)諸島にあるフィリピンの支配域に接近したとの情報があり、警戒感が高まっていた。

 米国防総省も9日の声明で、「中国の行動は、自由で開かれたインド太平洋地域というビジョンと対照的なものだ」と批判。新型コロナの蔓延(まんえん)は「共有の脅威」であり、「ルールに基づく国際秩序が重要だ」と中国を牽制(けんせい)した。

 中国とベトナムは2014年5月、パラセル諸島付近で中国が油田掘削を行ったことで対立が先鋭化。両国の船舶同士の衝突が発生し、ベトナム国内では反中デモも展開された。近年も埋蔵資源を狙う中国の地質調査船がベトナムの排他的経済水域(EEZ)内で繰り返し確認され、ベトナム側は神経をとがらせる。

 ベトナムは今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国であり、領有権問題を抱える各国を代表する立場だ。今年開かれる首脳会議で、今回の事故や中国の南シナ海での行動が議題となる可能性がある。

 一方、中国外務省は会見で、「不法に漁をしていたベトナム漁船を発見し、すぐに退去を呼び掛けたが、立ち去ろうとせず中国船に向かって急旋回した」(華春瑩報道官)と主張している。

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