PR

ニュース 国際

英観光地、ゴーストタウンに イタリアに次ぐ医療崩壊の危機

■医師やベッド少なく

 外出制限は品不足を招くだけでなく、英経済の悪化の引き金にもなりうる。

 英政府は外出制限で、衣料品店や電器店、屋外の遊び場を閉鎖させた。ロンドン市内の婦人服店の店主は「数週間も商売ができなければ、倒産する店も必ず現れる」とこぼした。ジョンソン氏も23日、テレビ演説で「このような措置をとりたい首相などいない」と苦しい胸の内を明かした。

 ジョンソン政権が景気悪化のリスクをおかしてでも外出制限に踏み切ったのは、新型コロナの感染者数が病院の受け入れ能力を超え、医療崩壊を起こす恐れがあるためだ。英BBC放送によると、英国の新型コロナの感染者数は24日時点で8077人、死者数は422人に達した。ジョンソン氏は感染者数の増加に「英国はわずか2~3週間で(医療崩壊が起きた)現在のイタリアのような状況になる」と話したという。

 ジョンソン氏は、英国の医療従事者や施設の不足に危機感を抱いている。経済協力開発機構(OECD)などによると、人口1000人当たりの医師数はドイツが4・3人、イタリアが4・0人、スペインが3・9人、フランスが3・2人なのに対し、英国は2・8人と少ない。英国の呼吸器専門医であるジェシカ・ポッター氏は米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿で「英国は、他の大半の欧州諸国よりも集中治療用のベッドが少ない」と指摘した。

■政治にも暗雲

 新型コロナは英国民の生活や経済にとどまらず、政治の混乱も招いている。英EU(欧州連合)の自由貿易協定(FTA)交渉で、EU側の交渉責任者のバルニエ首席交渉官が19日、新型コロナの検査で陽性だったと公表し、隔離を余儀なくされた。交渉が大幅に遅れる可能性があり、年内にFTAが締結できなければ、英EU間の貿易は世界貿易機関(WTO)の規則に従い、関税が発生する恐れがある。

 ロンドン市民の一人は「わずか1カ月前は英国で感染が広がるとは夢にも思わなかった」と話す。

 ロンドン市長選の主要候補は今年2月、ツイッターで、新型コロナの感染拡大で東京五輪・パラリンピックが開催できない場合、代わりにロンドンで開催する用意があるとの考えを示した。同様の発言をする人は「今は一人もいない」(英政府関係者)という。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ