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新型コロナ、東南アジアで相次ぐ規制強化 1週間で感染者3倍以上、高まる危機感

 【シンガポール=森浩】東南アジアで新型コロナウイルスの感染者数が急増する兆しが見えはじめ、各国が相次ぎ厳しい措置に動き出した。これまで感染者数が比較的少なかったのは検査能力不足のためで、水面下で感染が広がっている可能性は指摘されていた。これを裏付けるような状況に危機感が高まっている。

 「状況は急速に変化している。積極的な行動が必要だ」。世界保健機関(WHO)の東南アジア地域担当者は17日の声明で域内の現状を懸念し、大規模感染を防ぐ対策の必要性を強調した。

 東南アジアでは1月中旬から感染者が確認された。増加ペースは比較的緩やかだったが、検知されないまま感染が広がる「サイレント・エピデミック」(静かな感染拡大)も懸念され、米ハーバード大研究チームは論文で一部の国を名指しし、検査体制の強化の必要性を指摘していた。

 こうした中、3月に入って感染者数が急増し、18日時点で東南アジア諸国連合(ASEAN)10加盟国の感染者数は1494人。1週間で3倍以上になった。マレーシアでは2月27日~3月1日に約1万6千人が参加して行われたイスラム教の集会での感染が発覚。18日までに600人以上の感染が確認された。

 感染者急増を受け、動きが鈍かった国々も対策を本格化させた。ASEAN内で最多の感染者を抱えるマレーシアは18日未明から31日まで、自国民の海外渡航と外国人の入国を禁止。事実上の国境封鎖で政府は延長の可能性を示唆する。宗教行事を含む集会も禁じられた。ムヒディン首相は「さらに状況が悪化するまで待てない」と厳しい措置に理解を求めた。

 フィリピンは首都マニラを抱えるルソン島の全住民に外出制限を実施。19日には全外国人への査証(ビザ)発給を停止したと発表した。シンガポールは20日から全入国者に入国後14日間の外出制限を設ける。

 ただ、対策にはASEAN内でも濃淡がある。インドネシアは経済面の影響を考慮し、ビザ発給に制限をかけつつも、厳格な出入国制限には踏み込んでいない。ラオスとミャンマーでは感染者が確認されておらず、感染阻止策への称賛より、検査体制の充実を求める声が上がる。

 各国の結びつきが強いASEANでは、一国の措置の余波を他国が受けることもある。シンガポールでは隣国マレーシアの国境封鎖で、同国から国境を越えて日々働きにくる約30万人の労働者に支障が出る。このためシンガポール政府はマレーシア人労働者を国内にとどめ置くため、雇用主の企業・団体にホテルなど滞在先の確保を要求。ASEANは内政不干渉が原則だが、感染防止策で緊密な連携が求められる局面を迎えている。

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