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露改憲法案、上下両院を通過 「プーチン体制永続」に懸念

10日、モスクワのロシア下院で演説するプーチン大統領(左)(タス=共同)
10日、モスクワのロシア下院で演説するプーチン大統領(左)(タス=共同)

 【モスクワ=小野田雄一】ロシア下院は11日、憲法改正法案を審議する3度目の読会(本会議)を開き、プーチン大統領の5選出馬を可能にする改憲法案を可決した。法案は同日、上院でも可決され、上下両院を通過した。プーチン氏の出馬制限を撤廃する条文が突如、10日の下院第2読会で盛り込まれたのを受け、露反体制派やリベラル系メディアはプーチン体制永続化への懸念を強めている。

 改憲法案は翼賛体制の上下両院で圧倒的多数の賛成を得た。今後、地方議会での承認などを経て成立し、4月22日に予定される「国民投票」で投票者の過半数が支持すれば発効する。

 下院の第2読会は10日、「新憲法の発効後、それ以前の大統領の任期を帳消しにする」との規定を新たに盛り込んだ改憲法案を承認した。プーチン氏は同日、第2読会での演説で「今日のロシアには(政権交代よりも)安定が重要だ」と述べ、5選への意欲をほのめかした。

 プーチン氏は現行憲法の任期制限で2024年の大統領選に出馬できないはずだった。改憲が成立すれば、同氏が24年以降も最大で2期12年間、大統領を務める可能性が出てくる。

 11日付の露主要紙は一連の動きを大々的に報道。リベラル紙ノーバヤ・ガゼータは「改憲の意義が失われた」と指摘したほか、経済紙ベドモスチも「君主制に近くなる」と懸念した。

 露反体制派団体幹部のイワン・ジダノフ氏はツイッターで10日、「これは憲法クーデターだ」と批判し、賛同を広げた。モスクワ市が10日、新型コロナウイルス対策を名目に4月10日まで参加者5千人以上のイベント開催を禁止したことに対しても、インターネット上で「抗議デモ封じだ」との批判が起きている。

 プーチン氏は1月15日の年次教書演説で、大統領が持つ首相の任命権を下院に移譲するなど大統領権限を弱める改憲を提案。同氏が大統領退任後、新憲法に明文化される国家評議会の議長や下院議長などとして実権を保持するとの観測が強まった。しかし同月20日にプーチン氏が提出した改憲法案は大統領に首相任命権を残すなど、演説時の提案よりも大統領の権限が強く残る内容となっていた。

 プーチン氏は下院第2読会での演説で、経済や安全保障上の安定のために「強力な大統領による(権力の)垂直構造が絶対に必要だ」などと述べた。

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