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【激動ヨーロッパ】独メルケル首相の“禅譲”戦略をくじいた極右政党の「クーデター」

2月17日、ドイツ東部ドレスデンで行われた「反イスラム」団体の集会で演説するAfDのヘッケ氏(ロイター)
2月17日、ドイツ東部ドレスデンで行われた「反イスラム」団体の集会で演説するAfDのヘッケ氏(ロイター)

 来年の政界引退を表明しているドイツのメルケル首相の有力後継候補とされた、中道右派の与党、キリスト教民主同盟(CDU)のクランプカレンバウアー党首が辞意表明した。地方首長選出をめぐり、極右政党の「クーデター」(独メディア)ともいわれる計略で党内が混乱したことが引き金だ。メルケル氏の“禅譲”戦略がくじかれた経緯は、極右政党に翻弄されるドイツ政治の混迷を映し出した。(元ベルリン支局長 宮下日出男)

「タブー破り」で極右と協力

 「首相と党首の分離は党を弱体化させる。強いCDUが必要とされるときに、それが起きた」。クランプカレンバウアー氏が2月10日、辞意表明の記者会見で述べた言葉には苦渋の思いにじんだ。

 「ミニ・メルケル」と称されたクランプカレンバウアー氏は、メルケル氏が後継として意中に置く人物だった。地方から党要職に抜擢され、2018年末には首相を続けるメルケル氏と権力を分割する形で党首に就任。寛容な難民・移民政策などメルケル氏の中道・リベラル路線の是非をめぐり亀裂が入った党の立て直しを期待されたが、指導力を発揮できず、国民の人気は低迷していた。

 21年までの今期限りの政界引退を表明したメルケル氏も円滑な後継への移行で花道を飾ることを描いていたが、筋書きは狂った。メルケル氏は決断を「尊重」する一方、「残念」と述べた。

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