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米アフガン和平 「米国後」のアフガン、中露進出で「グレート・ゲーム」再来へ

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 【シンガポール=森浩】和平が成立したアフガニスタンは米軍の存在感低下で生まれる空白を狙って、大国が勢力を争う場となりそうだ。興味を隠さないのがロシアと中国で、“米国後”を見据えた布石を打つ。アジアと中東の結節点であるアフガンは地政学的に重要性が高い。19世紀、アフガンを舞台に大国が覇権を争った「グレート・ゲーム」が再来する可能性がある。

 「パキスタン、インドネシア、ロシア、中国などの国はアフガン再建に参加することを望む」

 イスラム原理主義勢力タリバンのバラダル幹部は2月29日、カタールの首都ドーハで具体的な国名を挙げて、将来的な関与に期待を寄せた。イスラム教徒が多数派でない国で、名前が挙がったのはロシアと中国だ。

 かつてロシアはイスラム原理主義勢力タリバンをテロ組織とみなし、旧タリバン政権の対立勢力である北部同盟を支援した。しかし中央アジアで伸長するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)への牽制(けんせい)のため、2015年ごろからタリバンへの接近を強めた。複数関係企業を仲介する形で、水面下でタリバンに燃料などを提供していると報じられた。

 01年の米中枢同時テロをきっかけに、自らの裏庭である中央アジアに駐留した米軍の存在感が低下する戦略的意味は大きい。17年からは複数回にわたり、モスクワにアフガン政府関係者やタリバン代表を招いて和平に関する会議を主催するなど、影響力拡大の布石を着実に打つ。

 中国も中央アジアから新疆ウイグル自治区にイスラム過激派が流入することを警戒し、アフガンへの関与の度合いを深める。これまでタリバン代表団を複数回北京に招待し、昨年6月にもタリバン関係者を招き、「テロ対策」と称して会合を開いた。過激派の封じ込めとともに、巨大経済圏構想「一帯一路」の重要中継地点として、アフガンで足場を作りたい考えだ。

 インドも16年からイラン南東部チャバハル港の整備を推進しており、陸路を通じてアフガンとの貿易や交流を促進したい意向がある。アフガン政治評論家、ジャバド・カカル氏は「和平後のアフガンに大国の食指が伸びることは間違いない。各国の利害が対立し、国内が混乱に陥れば、平和はさらに遠のくことになる」と警戒している。

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