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【一筆多論】露国歌を聞かせてほしい 遠藤良介

プーチン政権はドーピング問題について米欧の「陰謀論」を展開し、反省の色を見せていない(ロイター)
プーチン政権はドーピング問題について米欧の「陰謀論」を展開し、反省の色を見せていない(ロイター)

 モスクワ勤務が長かったため、ロシア国歌には愛着がある。個人的主観のそしりを恐れずに言えば、露国歌は楽曲として米国の国歌と双璧だと思っている。その露国歌を今年夏、東京五輪・パラリンピックで聞けないのは残念なことだ。

 世界反ドーピング機関(WADA)は昨年12月、国ぐるみの不正行為を繰り返したとして、ロシアを国際大会から4年間締め出す処分を決めた。露選手団は東京五輪・パラリンピックに出場できず、潔白を証明できた選手のみが個人資格で参加する。国旗は使用できず、メダルを獲得しても国歌は演奏されない。

 WADAは2016年、ロシアが14年に開催したソチ冬季五輪などで「政府主導」の不正行為をしたと認定した。WADAは18年、露反ドーピング機関の資格停止を解いたが、その条件として提出させた検査データに多数の改竄(かいざん)が見つかった。ロシアは嘘の上塗りをしていた。

 国家的ドーピングはソ連時代に根ざしている。ステロイドに関する研究成果が1972年、機密文書としてスポーツ関係者に配られたのが嚆矢(こうし)だとされる。ソ連は国の徹底管理による選手の育成と並び、国家的なドーピング研究を行った。スポーツを通じて社会主義の優位を西側に誇示するのが目的だった。

 今日のプーチン体制もまた、スポーツや五輪を国威発揚の場とみなし、手段を選ばずに「勝利」を追求してきた。その背景について、ソチ冬季五輪が行われた2014年に露独立系機関が行った世論調査がヒントを与えてくれる。

 「ロシアの何を誇りに思うか」を尋ねたこの世論調査(複数回答)では、次の項目が上位を占めた。(1)自然の豊かさ(40%)(2)歴史(39%)(3)スポーツの成果(33%)(4)文化(30%)(5)国の大きさ(28%)(6)国際舞台での地位(26%)。スポーツと国際舞台での地位を除き、全て過去から継承されたものである。

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