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武漢封鎖1カ月…まるで戦時の籠城「多くの死別が身近に」 

中国・武漢市内に臨時に設置された病院のベッドで、夕食をとる新型肺炎患者=21日(共同)
中国・武漢市内に臨時に設置された病院のベッドで、夕食をとる新型肺炎患者=21日(共同)

 【北京=西見由章】新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、中国当局が湖北省武漢市の鉄道駅や空港、公共交通機関を停止する封鎖措置を始めてから23日で1カ月となる。当局は「ウイルスとの人民戦争」を呼びかけており、市民らはまるで戦時下のような状況で「籠城」を強いられている。

 「多くの死別が身近に起きた。家族を大切にしなければとの思いが深まった」

 武漢市のIT関連企業に勤める女性(38)が21日、メール取材に応じた。武漢の封鎖当初は当局の措置を軽く受け止め、どこか面白がっている気分もあったという。だが肺炎の症状を悪化させながら病床不足で入院できない人々の悲痛な訴えを多く見聞きし、重苦しい気持ちになった。「心がマヒしている部分もある。今起きている全てが早く終息してほしい」

 目下、最も困っているのは生活必需品の購入だ。世帯ごとに3日に1回しか外出できなくなっていたが、14日からは外出自体がほぼ全面禁止に。自治会や不動産管理業者による代理購入が行われ、生鮮類は入手が難しい。「自治会などが整備されていない居住区や、代理購入に必要なスマートフォンの操作ができない高齢者は厳しい状況だ」。今は夫と離れて、それぞれが両親の面倒をみている。

 湖北省当局は20日、当初同日までとしていた企業の休業措置を3月10日まで再延長すると発表。女性の勤務先でもすべてのプロジェクトが止まった。「政府の支援措置はわれわれ中小零細企業に大きな効果はない。今年が困難な一年になることは間違いない」

 初動の遅れが指摘される地元政府を「最初から現在まで何もいいところがない」と切り捨てる一方、中国全体の対応は「一切の代価を惜しまず国を挙げて武漢を支援している。これだけの気迫と能力があるのは中国だけ」と評価する。

 女性は、友人8人が感染した。このうち親友は父が入院できないまま死亡、母も入院中だという。

 武漢では、こうした家族間感染で“一家全滅”を招いた悲惨なケースもある。中国メディアによると、武昌病院の女性看護師(59)が14日に死去。同日、その弟の映画制作会社幹部(55)も亡くなった。きょうだい2人は1月下旬から2月初旬にかけて死去した両親を看病していた。

 武漢では依然として医師や病床、医療資源の不足が深刻だ。電話取材に応じた同市の女性によると、15日に隔離先のホテルに入った兄(42)はせきや発熱の症状が悪化。入院に必要なウイルス検査を要請したが当局の回答はなく、3日間食事ができない状態が続いた。検査が行われたのは19日。「22日にようやく仮設病院に入れた」という。

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