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【北京春秋】物乞いもマスクは必須

 しまった、マスクを忘れていた-。自宅やオフィスを出た直後、周囲から突き刺さる視線に気づき、引き返したことが何度かある。

 微小粒子状物質「PM2・5」に汚染された大気が北京を覆いつくしていた7年前、留学先の大学では「マスクをつけると病人みたい」「授業中の着用は先生に失礼」などと抵抗感を示す学生が多かった。だが習近平指導部が新型コロナウイルスとの「人民戦争」を始めた今、中国ではマスクをしていない者こそが異端であり、着用は国民の義務と化している。

 コンビニの入り口には「あなたと他人の安全のためにマスクをつけて!」と手書きの張り紙が。そのくせ、マスク用の商品棚は2週間以上空っぽなのだ。

 レジにも目立つ張り紙があり、大きな矢印とともに「消毒済みのセルフレジ使えます」。人同士の接触をできるだけ避けるのが目的だ。若い男性店員は「以前はだれも(セルフレジに)気づかなかったけど、皆使うようになった」という。自宅近くの地下道で、マスクをつけて物乞いをする高齢男性を見かけたときはさすがに驚いた。もっとも不特定多数と接する彼らこそ必須なのかもしれない。

 ただ春節(旧正月)明け後も北京の通りや地下鉄はガラガラ。あの物乞い男性の姿は、見かけなくなった。(西見由章)

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