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【三井美奈の国際情報ファイル】崩れ始めたマクロン新党 大統領再選のシナリオに不安

 パリ市長を決める選挙では、マクロン与党「共和国前進」が大苦戦する。

 党公認の市長候補は、グリボー前政府報道官だが、人気はさっぱり。これに対し、党の看板、ビラニ下院議員が造反して、独自に出馬を表明した。「数学のノーベル賞」といわれるフィールズ賞を36歳で受賞した天才数学者。長髪に三つ揃えのスーツ、クモのブローチという個性的な装いで、知名度は抜群だ。

 だが、分裂選挙になって勝ち抜けるほど、与党に地力はない。1月の支持率では、社会党のイダルゴ市長が25%で首位。2人は、10%台で3位以下に沈む。

 17年、大統領選の決選投票で、マクロン氏はパリで9割を得票した。統一地方選で首都に市長を誕生させ、2年後の大統領選に弾みをつけたいところだが、交通ストによる通勤地獄、ゴミ放置、デモ暴走で首都住民はうんざりしている。

 マクロン大統領の任期は後半に入った。就任前には10%だった失業率は昨年、8・5%まで改善したが、支持率は3割前後で低空飛行。「王様然」とした振る舞いが、やり玉にあげられるばかりだ。新党を率いて保革二大政党制を打破し、39歳で仏史上最年少の大統領になった3年前の勢いは、もはやどこにもない。

 マクロン陣営は17年の下院選で定数577のうち、350議席を獲得した。昨年末までに、政府の環境政策や議会人事への反発などで10人以上が会派を離脱。ビラニ氏とその支持者が抜ければ、離脱組は約20人に達しそうだ。

 マクロン氏はかつて社会党政権の経済相で、オランド大統領に「造反」して新党を結成し、権力を握った。今は、造反に悩まされる立場。統一地方選で惨敗すれば、「マクロン凋落」を印象付けかねない。野党に新たなライバルが出現していないのが、目下唯一の救いだ。(パリ支局長)

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