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新型肺炎 「パンデミック阻止は2~3週間が勝負」 WHO専門家語る

 中国海南省から北京へ向かう航空機内でマスクを着用する乗客=10日(共同)
 中国海南省から北京へ向かう航空機内でマスクを着用する乗客=10日(共同)
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 【ジュネーブ=板東和正】世界保健機関(WHO)のシニアアドバイザーを務める進藤奈邦子氏が産経新聞のインタビューに応じ、「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を防げるかどうかはこの2~3週間が勝負になる」との見方を示した。事実上の封鎖措置が取られた中国湖北省武漢市以外の地域で感染をどう封じ込めるかが「パンデミックを防ぐ鍵になる」と強調した。

 進藤氏はWHOで感染症の危機管理を担っており、科学的な見地に基づいた新型肺炎の分析を行っている。

 WHOは現時点で新型肺炎の感染者の大半が中国湖北省にとどまっていることなどから、地球のほとんど全土に拡大する「パンデミック」にはあたらないとしている。パンデミックとしては、世界で4千万人が死亡したとの推計もある「スペイン風邪」(1918~19年)などが知られる。

 ただ、進藤氏は新型肺炎について、2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)に比べると「人から人の感染が起こりやすく、感染率が高い」と指摘。「感染者が誰から感染したかどうか追えなくなると、感染の封じ込めは難しい」とした上で「そのような事態が各地で起こるとパンデミックに移行する可能性が高くなる」とした。

 さらに、「武漢市の封鎖措置で感染拡大は明確に減少したが、中国内の他の省で感染が広がると、感染の減少効果も数週間で消えてしまう」と指摘。「今後2~3週間で他の省で感染をいかに食い止められるかが重要になる」と分析した。

世界保健機関のシニアアドバイザー、進藤奈邦子氏
世界保健機関のシニアアドバイザー、進藤奈邦子氏
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 一方、WHOが11、12両日に開催し、新型肺炎のワクチンなどについて話し合う専門家会合について、「会合では、今後開発するワクチンの候補が決まると思う」と期待感を示した。ただ、「(新型肺炎のような)呼吸器系のウイルスの発症を完全に防ぐワクチンは開発が難しい」とも指摘。「通常は動物実験や副作用、安全性の検証など多くのステップを踏み、実用化までは時間がかかる。世界の英知を結集して、どれだけ時間を短縮できるかが課題だ」と話した。

 また、新型肺炎が発生した経緯について、「どの動物から入ってきたかは今のところ判明していない」と具体的な感染源がいまだに不明であることも明らかにした。

■しんどう・なほこ 東京慈恵会医科大卒。国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官などを経て、2002年に世界保健機関(WHO)に派遣される。感染症の危機管理の専門家として、14年には西アフリカで猛威を振るったエボラ出血熱の解析にあたった。18年にWHOシニアアドバイザーに就任した。

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