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米、中国のウイルス管理体制に不信感 渡航禁止措置

 【ワシントン=塩原永久、黒瀬悦成】トランプ米政権が新型コロナウイルスの感染拡大で、米国民に中国全土への「渡航中止」を勧告したのは、政権内部でくすぶる中国政府の対応への不信感を反映したものだ。11月の大統領選をにらみ、自国民の保護に向けた「危機管理」を至上課題に掲げるトランプ大統領は、米国内での感染拡大の阻止に向け、徹底した水際作戦を展開する構えだ。

 「国際社会は安心感を得られていない」

 国務省高官は1月22日、記者団に、新型肺炎に関し中国政府が適切な情報公開と有効な対策を進めていないとの不満を強くにじませていた。

 米政府が中国政府に疑いの目を向けるのは、中国で2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)で、中国政府の情報開示と対応が後手に回ったせいで感染が一層広がった苦い記憶があるためだ。

 米メディアによると、米政府は新型肺炎が発生した湖北省武漢市にある中国科学院・武漢病毒研究所のウイルス管理体制がずさんであるとして懸念を強めていた。同研究所からウイルスが流出し新型肺炎の原因になったとの明確な証拠はないものの、中国の情報公開への後ろ向き姿勢に起因する不安の広がりを映し出しているのは事実だ。

 ロス商務長官は30日、FOXビジネスの番組で、新型肺炎を機に「北米に雇用が戻る動きが加速するだろう」と述べ、中国に進出した米企業が感染リスクを恐れて米国に拠点を移転させるとの見通しを示した。

 また、中国でSARSやアフリカ豚熱(ASF)が発生した経緯を挙げ、中国進出に「考慮すべきリスクがある」とも語った。

 トランプ氏は30日、中西部アイオワ州での集会で「新型肺炎への対応で米国は中国と緊密に協力している」と述べて支持者らに理解を求めた。

 ただ、今回の事態で一部の米企業は中国での店舗休止や生産停止に追い込まれた。新型肺炎で景気が冷え込めば、トランプ氏が再選のテコに位置付ける経済分野の実績を失うことになるため、同氏は慎重な対応を迫られそうだ。

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