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ウクライナ機撃墜 原因究明へ「壁」多く

 ウクライナ旅客機の誤射事件で、イラン政府は犠牲者の多かったカナダの調査団などと協力して原因究明を行う方針を示している。イランや欧米メディアの報道を基に、調査をめぐる課題を探った。

 イラン革命防衛隊の航空部門トップ、ハジザデ司令官は11日の記者会見で経緯を説明した。それによると、巡航ミサイルが19キロ先に迫っていることを防空システムが探知。システムの操作官が指示を得ようとしたが通信の不具合で通じず、10秒以内での決断を迫られて独断で発射した。

 この説明の確認が最大の焦点となる。ただ、実態解明には防空システムの全容を知る必要があり、米国との軍事対立を続けるイランが手の内をすべて明かすことは考えにくい。

 なぜ当初は誤射の事実を隠し、誰がその方針を決めたのかも解明すべき点だ。ハジザデ氏は「誤射の事実は関係部署に直後に報告した」と述べたが、最高指導者ハメネイ師が誤射の事実を知ったのは発生から2日後の10日だったとされる。カナダやウクライナの首脳との協議はロウハニ大統領が行っている。

 誤射に至った防空システムの特定も不可欠だ。欧米メディアではロシア製「トール」との見方が広がっている。ミサイル発射台と連動するレーダーを積んだ移動式で、イランは2000年代中盤、30基前後をロシアから購入したとされる。

 関連は不明だが、イランは当初、旅客機のブラックボックスを自ら解析するのが困難な場合、協力を依頼する国としてフランスなどのほかにロシアも挙げていた。ロシアは欧米諸国が誤射との見方を強めた後の10日になっても、「根拠がない」と主張していた。

 イラン軍は声明で、旅客機は「革命防衛隊の機密性の高い施設の近くを飛行した」としている。ウクライナ側とイラン航空当局は決められた航路から離れていないとし、食い違いをみせている。(カイロ 佐藤貴生)

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