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2つの「期限」に自ら縛られた金正恩氏

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が党中央委員会総会を主宰したことを1面で報じる29日付の労働新聞(コリアメディア提供・共同)
 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が党中央委員会総会を主宰したことを1面で報じる29日付の労働新聞(コリアメディア提供・共同)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の重大方針を決める朝鮮労働党中央委員会総会が年末という異例の時期に開催されたのは、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長が非核化などをめぐる米国との交渉期限を一方的に年末に指定したからだ。数日後に迫った来年元日には、施政方針に当たる「新年の辞」で対米を含む新方針を打ち出さざるを得ず、2つの期限に追われた末の瀬戸際開催となったといえる。

 朝鮮中央通信は29日、総会の全参加者は「党委員長同志の歴史的な報告を注意深く聴取している」とし、「会議は続く」と伝えた。総会が1日で終わらないのは1990年1月以来、約30年ぶり。外交や軍事、経済などそれほど議題が多いことをうかがわせる。

 実務陣にとって党の方針は本来、固まっていて当然の時期だ。最高指導者が国の方向を示す新年の辞に反映しなければならないからだ。金氏は4月の演説で「年末まで米国の勇断を待つ」と明言しており、ぎりぎりまで米側の出方を見定める必要があったようだ。

 2017年の新年の辞では、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射準備が「最終段階にある」と表明。11月の発射で国家核戦力の完成を宣言し、翌年の新年の辞では、平昌五輪への参加と韓国との対話を提案し、米朝首脳会談につなげた。最高指導者の言葉通りの政策実現への並々ならないこだわりを物語る。

 今年の新年の辞では、米国の制裁が続けば、「新たな道」を模索せざるを得ないと言及しており、新たな道に関して一定の答えを用意する必要がある。昨年の総会で打ち出した経済集中路線を撤回すれば、国内の不満も生みかねず、制裁が続く中でも「自力更生」による経済建設に進む路線を再確認するとみられる。

 最近開かれた党中央軍事委員会拡大会議では、自衛的国防力の発展を討議しており、相次ぐミサイル発射に象徴される国防力の増強も打ち出す可能性が高い。ICBMと核実験の扱いについては、即再開を表明すれば、北朝鮮を擁護する中国やロシアの支持まで失うリスクがあり、具体的に踏み込むのか注目される。

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