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北朝鮮、深まる対中依存、「自力更生」誇示も貿易赤字拡大

北朝鮮・平安南道で温泉リゾートの完工式に出席した金正恩朝鮮労働党委員長(中央)。朝鮮中央通信が7日に配信した(ロイター)
北朝鮮・平安南道で温泉リゾートの完工式に出席した金正恩朝鮮労働党委員長(中央)。朝鮮中央通信が7日に配信した(ロイター)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、国連安全保障理事会決議による経済制裁を「自力更生」で乗り越えるよう国民を鼓舞してきた。だが、苦境は隠しようがなく、貿易統計に表れている。制裁後に対中国貿易赤字が大幅に拡大するなど、対中依存が深まる皮肉な結果も浮かび上がっている。

 国連貿易開発会議(UNCTAD)が最近公表した統計によると、北朝鮮の2018年の輸出規模は約3億ドル(約328億円)と前年比で83・8%激減した。労働者の海外派遣だけでなく、北朝鮮の主力輸出品の石炭や鉄鉱石、海産物の輸出も禁じた17年の一連の安保理決議が直撃した形だ。

 韓国の情報機関、国家情報院の国会報告によると、今年1~10月の北朝鮮の対中貿易規模は22億4000万ドルと前年同期比で15・8%増。輸入が一方的に増えており、1~10月の対中貿易赤字は18億9000万ドルだった。対中赤字は通年で過去最大を更新する見通しだ。

 農作物の不作も伝えられる中、食糧の輸入に加え、一定の生活水準を保つための中国製品輸入が欠かせず、外貨を切り崩す状態が続いている。

 韓国貿易協会によると、北朝鮮の貿易相手国で中国が占める割合は18年に91・8%に達したが、これほどの対中依存は最近のことだ。01年には貿易相手国として最大の30・1%を占めていた日本が、06年の北朝鮮の核実験を受けて輸入禁止に踏み切る。主な外貨獲得源だった南北経済協力事業の開城(ケソン)工業団地の操業も韓国が16年に中断した。

 打開策として金氏が注力するのが観光地区開発だ。党機関紙、労働新聞は今月、「他の国なら廃虚と化しただろう苦難の中、世界を驚嘆させる勝利」の一つとして中部の温泉リゾート開発を挙げた。金氏は東部の景勝地、金剛山(クムガンサン)でも韓国側が経済協力事業で建てた施設を撤去し、独力で再開発するよう指示。制裁の対象外の観光に外貨獲得の活路を求めようとしている。

 ただ、韓国が北朝鮮観光の解禁に二の足を踏む中、中国人観光客に頼らざるを得ず、中国依存からの脱却にはほど遠い。

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