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北大教授解放 習氏訪日控え早期収拾 研究者反発無視できず  

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 【北京=西見由章】大量の機密資料を収集したなどとして中国当局が拘束していた北海道大の40代の男性教授が約2カ月ぶりに解放された。中国側は男性教授が容疑を認めた上での保釈だと強調しているが、すでに帰国しており正式逮捕や起訴は見送られる可能性が高い。拘束発覚を受けて日本国内では研究者らの反発が拡大し、日中間の学術交流に深刻な影響が広がっていた。来春に習近平国家主席の国賓訪日を控える中、中国当局が早期の混乱収拾を図った形だ。

 関係者によると、元外務省所管の政策シンクタンク「日本国際問題研究所」が11月初旬に北京大で開催を予定していた「日中政策フォーラム」が中止になった。日本側が出席を見送ったためという。同研究所は7日発表の声明で「研究者の間では訪中を控える動きや研究交流を見直すべきとの声も出ている」とし、中国当局に「適切な情報開示と(教授の)速やかな解放」を要求していた。

 また国分良成・慶応大名誉教授(防衛大学校長)ら中国研究者47人は「理由を開示せずに人を拘束することは決して国際社会に受け入れられるものではない」と批判。「新しい日中関係を考える研究者の会」(代表幹事・天児慧(あまこ・さとし)早稲田大名誉教授)も約130人の連名で「理由が不明なままの拘束」により「中国のイメージに大きく傷がつき人々の不信感が増長することは避けられない」と訴えた。

 当初、中国側の反応は鈍かった。耿爽(こう・そう)外務省報道官は10月末、日本人研究者の声明について「必ずしも真相を理解しているとはかぎらない」と反論。日中間の交流は「個別の事件に影響を受けない」と主張した。訪中予定をキャンセルした日本の国立大教授は「中国側は事の深刻さを理解していないのでは」ともどかしさを隠さなかった。

 男性教授の解放を受けて日本側には安堵(あんど)が広がる。ある中国研究者は「日本国内で反発の声が広がり、対日関係の改善を進めている習近平政権も無視できなくなったのではないか」と分析した上で「中国の国家安全当局も、こうした声にあらがって正式逮捕するだけの明確な容疑を示せなかったのだろう」と指摘した。

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