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【から(韓)くに便り】黒田勝弘 山は下りる時に転びやすい

韓国の文在寅大統領と話す、ASEAN関連首脳会議に出席中の安倍晋三首相=4日、タイ・バンコク郊外(韓国大統領府提供・聯合=ロイター) 
韓国の文在寅大統領と話す、ASEAN関連首脳会議に出席中の安倍晋三首相=4日、タイ・バンコク郊外(韓国大統領府提供・聯合=ロイター) 

 このところ韓国側で日韓関係改善を模索する動きが目立つ。天皇陛下の即位行事の際、李洛淵(イ・ナギョン)首相の“祝賀訪問”があり、文在寅(ムン・ジェイン)大統領もタイで自分の方から声をかけて安倍晋三首相と会っている。文喜相(ムン・ヒサン)国会議長も訪日の際、関係改善案を語っている。いわば“ビッグ3”が相次いで日本に対し融和的ジェスチャーを見せているのだ。

 そこで日本サイドから「あれは本モノでしょうか?」という問い合わせがよくある。とりあえずの答えは「韓国は関係改善にこんなに努力している」「悪いのは強硬論の日本だ」「改善のボールは日本側にある」ということを内外にアピールするのが目的-というものだ。とくに米国からは日本との関係改善を強く迫られているため、米国向けの印象が強い。

 タイでの両首脳の出会いを韓国側が一方的に映像にし、友好的雰囲気と発表したのはそうした計算からだ。文在寅政権は左翼政権らしく(?)こうした政治的演出や情報操作はうまい。

 韓国の一見したところの対日融和ムードには国内への気配りも当然ある。文政権はチョ・グク前法相をめぐるスキャンダルで求心力が低下。5年任期の半分を過ぎ“下山”に移るところで政権への不満、不安が高まりつつある。その一つに外交における無策ないし停滞感さらには孤立感があるからだ。対日外交の“再開”には世論をなだめ安心させる狙いも垣間見える。

 日本の韓国ウオッチャーの間では昔から「韓国が困れば日韓関係はよくなる」という声がある。「韓国が困る」ケースとして経済・外交・安保の3点があり、具体的には(1)経済状況の悪化(2)外交的孤立(3)対北関係の不安-である。

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