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【主張】南シナ海問題 中国の「日米排除」許すな

 懸念された通り、南シナ海問題の議論が中国のペースで進んだ。東アジアサミット(EAS)など、タイで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の一連の首脳会合のことである。

 自らの無法を押し通すため、米国や日本を議論から排除する。そんな中国の思惑に合致した展開である。日米は急ぎ、巻き返しを図らなくてはならない。

 中国は南シナ海の大半が自国領だと根拠なく主張し、軍事拠点化を進めている。日米を含む世界中から抗議の声が上がっても、まったく意に介さない。

 中国の戦術は、中国とASEAN、さらに言えば、中国と個別のASEAN当事国との間だけで話をつけようとするものだ。日米は域外国だと決めつける。

 こうすることで、国際ルールなどお構いなしに、軍事、経済力にものを言わせて相手を説き伏せることができるという考えだ。

 だが、南シナ海は日米にとっても、重要な海上交通路(シーレーン)だ。大部分は公海であり、国際社会として、航行の自由を守り抜かなければならない。

 米国はASEAN関連会合で首脳級、閣僚級の出席を見送り、大統領補佐官を特使とした。米国とASEANの首脳会議で、ASEAN側から3首脳しか出席しなかったのも、米国不在への失望感の表れだろう。中国が目的とする米国排除は難なく達成された。

 中国ASEAN首脳会議では南シナ海での「行動規範」策定に向けた両者による作業の進展が確認された。これも中国ペースだ。中国の軍事拠点化や示威行為を阻むものではなくなっている。

 中国は、この行動規範を日米排除の道具立てにしようとする。南シナ海で第三国と合同軍事演習を行う際には中国と周辺国の同意がいるという規定を盛り込もうとしているのが、その証左である。

 EASでは米特使が中国の主張を認めないと発言した。李克強首相は「域外国が緊張を高めるべきではない」としたが、こうした反論を勢いづかせてはならない。

 ASEANは6月、独自の「インド太平洋」構想を発表した。東南アジア諸国を要とする点で、日米の「自由で開かれたインド太平洋」構想と変わらない。本来ならこの方向で、日米とASEANは連携を強めるべきなのだと認識しておく必要がある。

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