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【特派員発】ベルリンの壁崩壊後も心には壁 ドイツ東部・シュプレンベルク

 「1990年生まれ」。約2年前、こう題したシェニアンさんの記事は反響を呼んだ。「壁がなくなって長くなるほど、自分は東ドイツ人と感じる」。ベルリンの壁の存在と崩壊後の期間が同じになる節目に合わせた特集を検討する会議での言葉に関心が集まり、自分の経験をつづった。

 統一の8日前に生まれ、東西の区別は「過去の話」と思っていたシェニアンさん。「東ドイツ人」と自覚する契機となったのは難民・移民の大量流入だった。

 旧西独の大学に通っていた当時、旧東独で大規模な反移民デモが起き、故郷の地方選挙でAfDが台頭。旧西独出身の友人の一人がこれに対して「オッシーの嘆き」とつぶやいた。独語で「東」を表す「オスト」から派生した「オッシー」は旧東独市民に対する蔑称。ある知人は西側が東側再建のため巨額を投じたことを踏まえ、「東の人はまだ何を望むのか」といぶかった。

 一方、シェニアンさんは記憶にない旧東独時代を詳しく知ろうと両親にたずねたが、「ドイツは一つであってほしい」と口は重かった。その後、さまざまな人々の話を聞き、人の無意識になお残る東西の溝を強く感じた。今、両親世代の心境をこう理解している。

 「旧東独の人は統一後、オッシーであることを克服し、『西の人』になることが目標だった」。秘密警察の存在など旧東独は「否定的」にとらえられがちなため、両親世代は思い出と距離を置く。

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