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【正論11月号】香港デモが収束しない理由 産経新聞外信部次長 矢板明夫

 では香港の人々は中国政府に一体、どのような不満を抱いているのだろう。

 まず注目したいのはデモをしている人たちは二十歳代が中心になっていることだ。若者主導のデモで、逮捕された中には十二歳の生徒もいたというから驚きだ。これに対して英国時代の教育を受けた年配の人たちが今回のデモで暴れたという話はあまり耳にしない。

 私がここで着目していることは、デモに参加した二十代の香港の若者たちは全員が「共産党教育」を受けた世代だということだ。香港が中国に返還されたのは一九九七年七月一日。二十二年前だ。つまりこの時、小学生になった子供(七歳)は今、二十九歳になっている。

 すなわち学校で「われら愛する中国共産党」「わが祖国は偉大だ」「特色ある中国の社会主義は素晴らしい」といった共産党への賛辞がちりばめられた教科書で学んだ者が今、反中、反共産の最前線に立っているということだ。彼らは「一国二制度」として中国の支配下となった香港に共産党がいろんな形で浸透してきた光景を肌で実感してきた世代ともいえるだろう。

香港人の真の不満は何か

 なぜ若者は不満を抱くのだろうか。

 まず教育の不平等がある。香港には優れた教育を行う名門私立学校が沢山ある。当然、そうした名門校はステータスになっており、入学には厳しい競争が課され、学力だけでなく、家柄や親の職業などを示す推薦状が不可欠で、相当な狭き門となっている。

 ところが、香港が中国の支配下となって以降、共産党の幹部たちや国有企業の幹部の子息が相次いで通うようになった。

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