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【正論11月号】香港デモが収束しない理由 産経新聞外信部次長 矢板明夫

中国建国70周年で国旗を掲げる親中派の香港住民(ロイター)
中国建国70周年で国旗を掲げる親中派の香港住民(ロイター)
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 ※この記事は、月刊「正論11月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

 香港の緊張が高まっている。若者による抗議活動が盛り上がりを見せ、習近平政権や香港政府の出方が大いに注目されている。一九九七年に中国に返還され、「一国二制度」のもと二十二年。香港は今後どうなっていくのか。本稿では中国に反旗を翻した香港人が共産党に支配された香港をどう捉えているのか、を押さえつつ事態が今後、どのように展開していくのかについて検証した。

共産党教育世代による反旗

 今回のデモが発生する引き金となった出来事は香港政府が進めていた逃亡犯条例改正案だった。逃亡犯条例とは罪を犯した容疑者の身柄引き渡しについて定めたもので、香港は中国や台湾、マカオとはそうした取り決めを結んでいなかった。中国で罪を犯しても香港に逃亡すれば摘発を免れることができる。これでは香港は犯罪の“解放区”と化してしまう恐れがあった。

 昨年、香港人のカップルが台湾を旅行中、男が女性を殺害する事件が起こった。男は逃亡し香港に戻った。この事件を受け、香港政府は台湾からの身柄引き渡しの要請とともに、身柄引き渡しの取り決めも作ることを決めたが、その際台湾だけでなく中国やマカオとも作ることになった。それが今回の逃亡犯条例改正案であり、決してはじめから弾圧を狙って作られた法律ではなかった。そもそも中国政府が本気で香港の自由を奪い弾圧したいのであれば、逃亡犯条例などなくても現行法でできるのだ。

 逃亡犯条例の改正審議を進める動きが批判を浴びて抗議活動が拡大していったのは事実だが、あくまでもそれは引き金に過ぎない。香港にはもともと中国政府に対する根深い不満や鬱積がたまっていたのだ。それが条例改正の動きを機に一気に火が点いてあれほどの大規模デモになったということなのである。

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