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香港マスク禁止 市民の権利制限に懸念 市民の反発、国際批判も

覆面禁止法に反対し、仮面姿でデモ行進する女性=4日、香港
覆面禁止法に反対し、仮面姿でデモ行進する女性=4日、香港

 【香港=田中靖人】香港政府が4日、デモ隊のマスク禁止のため「緊急状況規則条例」(緊急法)を1997年の香港返還後、初めて発動した。林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は記者会見で、緊急法に基づくこの「覆面禁止法」について、不要になれば廃止し、緊急法の権限は「無限ではない」と訴えた。だが、立法会(議会)の審議を経ずに市民の権利制限を可能とする緊急法の発動は、デモ隊や市民の反発はもとより国際的な批判を招く可能性が高い。

 林鄭氏は会見で、覆面禁止法は16日に再開される立法会の審議に付され、廃止も可能だと強調した。だが、立法会は親政府派が多数を占めており、承認されるのはほぼ確実だ。

 会見では欧米メディアから「中国のような独裁体制に近づく一歩だ」との批判が出たほか、通信や報道規制に踏み込むのではないかとの懸念の声が相次いだ。

 前回、緊急法が発動された67年の暴動では、中国の文化大革命の影響を受けた左派の暴動で51人が死亡。植民地政府は報道規制や令状なしの身柄拘束など5つの「緊急条例」を発布し、抗議活動の参加者らを大量拘束した。

 報道によると、香港政府では現在、48時間の勾留時間を延長する措置や、デモ参加者がパチンコなどの「武器」を所持していれば拘束を認める規制が検討されている。林鄭氏は「暴力行為が悪化するなら政府は必要な手段を探さなければならない」と述べ、規制強化に含みを持たせた。

 4日夜の抗議デモでは市民らが道路を占拠し、過激化した一部デモ隊は中国銀行の店舗を破壊して内部に放火。地下鉄の設備も壊され、複数の駅が閉鎖された。民主派議員らは、緊急法発動は「火に油を注ぐ自殺行為。外資の撤退を招き、香港へ大きな損害となる」と批判した。

 一方、香港では同日、11月24日投開票の区議会議員選の立候補届け出が始まった。議員は行政長官の間接選挙を行う選挙委員会(1200人)の117人を占め、選挙結果は長官選に影響を及ぼす。民主派候補の資格停止などで混乱がさらに深まる可能性がある。

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