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【外信コラム】北京春秋 空洞だらけ 脆弱な足元

中国建国70年を迎え、演説する習近平国家主席を映し出す巨大スクリーン=1日、北京の天安門広場(共同)
中国建国70年を迎え、演説する習近平国家主席を映し出す巨大スクリーン=1日、北京の天安門広場(共同)

 中国の建国70年の軍事パレードが挙行される直前の1日未明、北京の長安街沿いにあるオフィスで仕事をしていると、机がガタガタと小刻みに震えだした。長安街の側道を、戦車や装甲車の部隊が轟音(ごうおん)を響かせながら天安門方面へ向かっていた。長安街沿いには地下鉄が走っている。また北京には旧ソ連の侵攻に備えて地下通路網が縦横に張りめぐらされ、今も党幹部らが機密の移動手段として利用しており、過去には陥没事故も起きている。

 習近平国家主席はパレードに先立つ演説で「いかなる勢力もわれわれの偉大な祖国を揺るがし、中国人民と中華民族の前進を阻むことはできない」とたんかをきった。名指しは避けながらも、香港問題も含めて全面的な対中圧力を強める米国に向けられた言葉であるのは自明だ。わずか8分余り、無難で聞き慣れた言葉が並んだ演説の中で、この表現だけが際立った。

 翌2日の国営中央テレビも「あの言葉で発奮しました!」という多くの市民や華僑の声を伝えていた。米国何するものぞ、という気概を示すことで国民の結束を図ろうとしたのだろう。

 ただ、習氏が「団結」を強調するのは、足元が揺れているからこそ。戦車や弾道ミサイルが勇ましく行進した北京中心部の地下は、空洞だらけで脆弱(ぜいじゃく)なのだ。(西見由章)

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