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【欧州を読む】あのトーマス・クックが破綻 欧州最古の旅行代理店、EU離脱も一因に

 一方で、トーマス・クック・グループは業績悪化の理由として、経済に影響を与える「合意なき離脱」のリスクを懸念し、英国人が海外旅行を控える傾向が強まっていたことを挙げた。

 英大手銀行バークレイズが今年5月に発表した調査によると、休暇で海外旅行より国内にとどまることを選ぶ英国民が増加している。離脱問題の不透明感が増し、通貨ポンドが下落すれば、海外旅行の費用が大幅にかさむ恐れがあるためだ。

 毎年、夏の休暇で米国を観光で訪れるというロンドン在住のマーク・サイモン(45)さんは「離脱が最終的にどれほどの景気悪化を招くか分からず、各家庭が経済的な備えをしておきたい時に、海外旅行に行くのは勇気がいる」「かなり多くの国民が海外旅行に消極的だろう」と話した。

■地盤沈下が進む欧州

 事実、ジョンソン政権がまとめた内部文書によると、合意なき離脱となった場合、生鮮食品の輸入が減少して価格が上昇するほか、医薬品の供給量も減り、低所得者に打撃を与える可能性がある。

 英経済への影響だけではない。

 EU統計局が発表したユーロ圏19カ国の2019年4~6月期の実質域内総生産(GDP)は、前期比0・2%増で、18年10~12月期以来、2四半期ぶりの低い伸びとなった。離脱の懸念から、EU加盟国の経済成長が鈍化したとみられている。

 英国に自動車を輸出するドイツは特に深刻で、関税復活により重い負担が生じる見通しだ。独連邦銀行(中央銀行)は景気後退に陥る恐れがあると警告している。

 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は9月23日、離脱の影響も踏まえ、短期間でのユーロ圏の景気回復が見通せない-との認識を示した。

 離脱問題は今後、英国の老舗企業にとどまらず、輸出事業を担う企業を中心に欧州ビジネスに暗雲をもたらす恐れが高い。

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