PR

ニュース 国際

台湾で百貨店「SOGO」経営権争い国際問題に、シンガポール企業が一方の株式取得、FTAの枠組みで調停も

「SOGO」ブランドを強調する電飾や看板を取り付けた台北市中心部の百貨店「遠東SOGO」ビル=台北市
「SOGO」ブランドを強調する電飾や看板を取り付けた台北市中心部の百貨店「遠東SOGO」ビル=台北市

 台湾各地で店舗展開する大手百貨店、SOGO(旧そごう)の経営権をめぐり、台湾で訴訟が10年以上も続く中で、紛争が9月末にシンガポールにも飛び火した。同国の大手企業が台湾の一方の紛争当事者から株式を取得し、FTA(自由貿易協定)の枠組みを利用して調停申請を準備しているという。シンガポールは、台湾がアジアでFTAを締結した唯一の相手国。国際問題化すれば東南アジアとの関係を重視する「新南向政策」を打ち出した蔡英文政権にとって、大きな試練になりそうだ。(台北 矢板明夫)

 1980年代に台湾に進出した日本のそごうグループが撤退後、残した「SOGO」ブランドの百貨店が成長を続けた。現在は台北を中心に7店舗あり、昨年は過去最高の461億台湾元(現在のレートで約1600億円)を売り上げた。

 SOGOの現在の経営者は台湾の物流大手、遠東グループだが、以前の経営者で持ち株会社、太平洋流通(太流)の前会長の李恒隆氏は、遠東側が不当な手段で経営権を奪ったと主張している。

 台湾メディアなどによれば、東南アジアを中心に約20カ国で展開するシンガポールの外食大手、ブレッドトークが9月末までに、李氏が所有する太流の株式を取得した。関係者によれば、双方は7月から水面下で接触し、ブレッドトーク側は弁護士を台湾に派遣して裁判資料を精査した上で、買収に踏み切った。

 ブレッドトークは今後、台湾の経済部(経済産業省に相当)にSOGOの経営者の登録変更を求める。不調に終われば、シンガポール政府を通じて台湾当局に対し、FTAの枠組みで調停申請を行うという。

 中国から政治的圧力を受け続けている蔡政権は、東南アジアとの経済関係に力を入れてきた。同地域で唯一のFTA締結国との初トラブルを、どのように処理するのか、注目される。

 台湾での経営権争いは2002年から。経営者の李氏が日本で長期入院した際、SOGOの経営を一時的に遠東グループに任せた。だが、同グループの幹部が書類を偽造して架空の株主総会などを開き、太流の資本金を1千万台湾元から40億台湾元以上に増資した。この結果、李氏の持ち株比率が大幅に下がり、経営権を奪われたという。

 その後、刑事訴訟では書類などを偽造した幹部が有罪となったが、遠東グループの経営陣による偽造への関与は認められず、登記内容は元に戻せなかった。

 李氏はその後も民事、刑事、行政訴訟などで相次ぎ訴えたが、いずれも認められなかった。万策が尽きたとして、ブレッドトークに支援を求めていた。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ