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中国危機感、メダル量産で国威発揚狙う 東京五輪

中国の五輪の金メダル獲得数
中国の五輪の金メダル獲得数

 2008年北京五輪で金メダルを48個獲得し、首位となった中国はその後、徐々に金メダル獲得を減らしている。20年東京五輪では国の威信をかけてメダルを量産し、習近平指導部が掲げるスローガン「中華民族の偉大な復興という中国の夢」実現をスポーツでも誇示したい考えだ。

 中国は前回16年のリオデジャネイロ五輪で、金獲得数を12年ロンドン五輪から12減らして26個とし、米国、英国に次いで3位に沈んだ。体育当局関係者の間では今、危機感が強い。東京五輪では伝統的なスポーツ強国の米国とロシアに加え、リオ五輪で金27個を獲得するなど近年大きく成績を伸ばしている英国、開催国で「金30個」を狙う日本を意識し、「米露英日という4つの強敵と金メダルを争う」(国営新華社通信)構えだ。

 これまで中国は卓球など“お家芸”の選手を幼少期に選抜し、英才教育を施してきた。新華社によると、中国が過去の夏季五輪で獲得した金メダル総数230個近くのうち、卓球、飛び込み、重量挙げ、体操、射撃、バドミントンの6競技で74%を占める。

 ただ、リオ五輪では体操で金を一つも獲得できなかったほか、バドミントンや射撃も低迷。このためお家芸の復活が急務だ。専門家は新華社に対し、東京五輪での金獲得数について先の6種目で22~25個、フェンシングや柔道など5つの格技系競技で5個、競泳や陸上なども加え計26~33個を獲得すると予想。本番の出来次第では国別の金獲得数が5位に沈む可能性があるとも指摘した。

 国威発揚という点ではリオ五輪で3大会ぶりに優勝したバレーボール女子代表チームに期待がかかる。中国メディアは優勝後、1980年代に五輪などで5連覇を達成した際の政治スローガン「女排(女子バレー)精神」を再び喧伝し、愛国主義の高揚を図っている。

 一方、リオ五輪の競泳二百メートル自由形で金を獲得した英雄・孫楊はトラブル続き。昨年9月に行われた抜き打ちドーピング検査を妨害したとする国際水泳連盟(FINA)の内部文書が豪紙に暴露されたのだ。孫は浙江省の別荘を訪れた検査官に抵抗し、採取された血液検体を警備員とともに金づちで破壊したという。

 今夏の水泳世界選手権では豪英の選手が表彰台で孫との握手を拒み、うち一人をののしった孫も含め計3人がFINAから警告処分を受けるなど騒動は拡大している。

 世界反ドーピング機関(WADA)は孫の選手権出場を認めたFINAの決定に対し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議申し立てを行い、11月以降に聴聞会が開かれる予定。孫は選手権で大活躍したが、違反が認定されれば厳しい処分が下り、中国スポーツ界には大きな衝撃となりそうだ。(西見由章)

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