通行禁止、地下鉄運休…厳戒態勢で建国70年を迎えた北京

【北京=三塚聖平】建国70年を迎えた1日、北京では「70」「熱烈慶祝」「中国の夢」などと書かれた真っ赤な旗が街のあちこちに掲示され、祝賀ムードが盛り上げられた。一方で、軍事パレードなど一連の記念行事が開かれた市内中心部では厳戒態勢が敷かれ、地下鉄の運休や通行禁止など大規模な交通規制を実施。警戒にあたる治安当局者らの姿も目立つなど緊張感が漂った。
北京の有力紙、新京報(電子版)によると、市内中心部では9月末から交通規制が段階的に規模を広げて行われた。規制対象となった通りでは関係者を除いて、車や人の通行が禁じられた。前日の9月30日からほとんど人の姿が見られない通りもあった。
一部の地下鉄駅は閉鎖された。記念行事が行われた天安門広場付近など市内中心部を通る地下鉄路線が終日運休になったという。
また、パレードの舞台となった目抜き通り「長安街」に面するホテルでは、1日の前後は宿泊客の受け入れを制限した。周辺ではコンビニエンスストアなど商店の休業も相次いだほか、軍事パレードの時間帯は通りに面した建物では窓とカーテンを閉めるように関係者が指示して回るなど、華やかな記念イベントの裏で市民生活に影響があった。
1日は国慶節(建国記念日)の大型連休の初日だったが、ある北京市民の男性は「外に出ると面倒なので、外出はせずに家にいるのがいい」と語った。