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【中国観察】トランプ政権の中国「為替操作国」指定は通貨戦争の号砲か 

 日本国際問題研究所客員研究員の津上俊哉氏も8月8日に日本記者クラブで行った会見で、「元安について『中国が米国に対抗するためのカードとして使い始めている』という観測が取り沙汰されているが、それは基本的にはないだろう。そういう火遊びをできる国ではない」と指摘した。

 「いまや人民元投機はジョージ・ソロス氏のような海外の投機資本ではなく、中国企業や中国人が圧倒的な主役となっている。ひとたび(国内投機筋に)『元安は長期的な傾向だ』と思われれば、制御不能なキャピタルフライトのような事態を起こしかねない」(津上氏)

人民元をめぐる対米リスクは

 一方、今後の元相場の動きについて関氏は「米中貿易協議が前進や後退を繰り返すという事態が見込まれ、人民元のボラティリティー(価格変動の度合い)も高い状況が続くことになるだろう。そういった動きの中で、1ドル=7・5元程度まで元安が進んでも不思議ではない」と見る。ただ、中長期的には「大幅な元安にも元高にもならず、横ばい圏内で推移する可能性が高い」との見方を示す。

 津上氏は「今後、再び『1ドル=6元台』に戻るような形になるだろう。『あまり(海外への資本逃避などの)早まったことはできない』と(国内向けに)思わせないと大変なことになる」と分析する。

 また、今後、人民元相場をめぐる「リスク」として中国側が警戒しているとみられるのが、1985年に先進国がドル高是正で電撃的に合意した「プラザ合意」の中国版が演じられることだ。

 関氏は、中国側がこのような事態が起きることを「警戒している」とみる半面、「中国側では『80年代のプラザ合意の時代とは違い、米国と一緒に元高介入をする国はそんなに多くないのではないか』という見方が主流だ」とも指摘する。むしろ、米国が中国の金融機関に対してドルを調達させないような金融制裁に乗り出すことへの警戒が強まっているという。

 米中の対立が、物品貿易や関税にとどまらず、さまざまな分野へと拡大する恐れが出ている中で、その主戦場が為替・通貨に移る可能性も否定できない。米国による為替操作国指定がその号砲となる可能性もある。

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