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トランプ氏、決め手なく世論戦 対中貿易協議は長期化

25日、米ニューヨークのホテルで記者会見したトランプ大統領(UPI=共同)
25日、米ニューヨークのホテルで記者会見したトランプ大統領(UPI=共同)

 【ニューヨーク=塩原永久】トランプ米大統領は、注目が集まる国連総会の外交舞台で中国の貿易政策の不当性を訴え、各国の協力を取り付ける「世論戦」を展開した。貿易協議では中国に歩み寄りの意欲がみえず、交渉妥結に結びつける決め手が乏しい。トランプ氏は、中国が知的財産保護を確約しない「弱い合意」を結ぶぐらいなら、交渉瓦解(がかい)を避けながら話し合いを続ける長期戦を覚悟した様子も見え隠れする。

 「進展していると思う。中国は米国と合意したがっている」

 トランプ氏は25日の記者会見で、米中協議の現状をそう話した。米制裁を避けようと中国から企業が脱出しており、中国が米国に譲歩するとの見通しを示したが、従来の見立てを繰り返すだけに終始した。

 前日の国連総会の一般討論演説でトランプ氏は「中国と悪い合意はしない」と宣言。中国が2001年に世界貿易機関(WTO)の加盟以降、「約束した改革を拒んできた」と指摘し、中国の不公正貿易により米国から多くの工場と雇用が奪われたと非難した。

 米半導体大手が中国から知財を盗まれたとする実例にも触れ、長々と中国産業政策の異常さを訴えた。

 世界から政府高官が集結する国連総会で、トランプ氏は大規模デモが続く香港の問題も取り上げ、「ワシントンは監視している」と警告した。今月中旬まで、中国に構造改革を求めない「部分合意」も容認する構えをみせた。米政府は一度決裂した中国との協議を軌道に戻すため、香港問題に踏み込むことに慎重だったが、トランプ氏の演説は米政府が中国との対決を再び誓ったようにも映った。

 交渉責任者である米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は25日、現段階は「(米中の)信頼醸成が求められている」と指摘。トランプ氏は25日の会見に先立ち、前日の演説後に下落した米株式相場を取りなすように、対中合意が「思いのほか早く実現するかもしれない」と述べた。

 本格的な米大統領選シーズンに向かう中、内容が乏しい対中合意は「民主党から批判されかねない」(米通商専門家)。一方、米中ともに交渉を破談させれば国際社会から批判される恐れがある。トランプ氏が、安易な合意を避けつつ、合意も決裂もさせない米中交渉を、来年11月の選挙前後まで長期化させるとの見方も浮上している。

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