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【ベルリンの壁崩壊30年】(2)ゆらぐ共同防衛 当時の勇気はどこへ

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 独シンクタンク「ジャーマン・マーシャル基金」のヤン・テヒャウ上級研究員は、国防費増が「安全保障上の利益だと伝わらない」のが実情だと説明する。

 国民意識の土壌に、1990年の東西統一の影響があると指摘する声もある。現職の独大統領府外交部門責任者、トーマス・バガー氏が最近発表した「1989年の再評価」と題する論文はその点で注目された。

 バガー氏は、統一を実現したコール首相(当時)が語った「ドイツは初めて友人とパートナーのみに囲まれた」との言葉を引いて、ドイツが「平和の配当」を受ける中で「脅威への感覚」を失ったと主張した。歴史的に近隣国の脅威にさらされてきたドイツが統一でやっと獲得した平和への強い感慨ゆえに、新たな国際環境への対応を難しくさせているという説だ。

 ジャーマン・マーシャル基金のテヒャウ氏も、ナチス時代の苦い経験からドイツ国民には「再び歴史の誤った側に立つことへの不安」が強いため、安全保障・外交で「道徳的に耐えうるか否か」が優先される傾向があると指摘。このことが先行きや全体を俯瞰(ふかん)した「戦略的」な議論を難しくさせている要因とみる。

 「ドイツ人が統一で『もう自分を守る必要がない』と理解したなら問題だ」

 そう語るのはベルリンの壁が崩壊した89年当時の駐東独米公使で、現在、ドイツで安全保障研究所を率いるジェームズ・ビンデナーゲル氏(70)だ。

 ビンデナーゲル氏もトランプ氏の政策に不安を抱く一人ではあるが、「彼が世界の変化をもたらしたのではない」と指摘する。

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