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【ベルリンの壁崩壊30年】(1)庇護者の米国、今や「脅威」

ベルリン大空輸作戦終了70年記念式典で地元市民と話し合う元米兵、ゲイル・ハルボルゼン氏=5月12日、ベルリン市内(宮下日出男撮影)
ベルリン大空輸作戦終了70年記念式典で地元市民と話し合う元米兵、ゲイル・ハルボルゼン氏=5月12日、ベルリン市内(宮下日出男撮影)
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 「自由のための戦いは報われる」。西ベルリン出身のミヒャエル・ミュラー・ベルリン市長(54)は式典でこう訴えた演説で、作戦で育まれた米国への「信頼」が89年11月9日の壁崩壊と90年の東西ドイツ統一の礎になったとしたが、米大使は所用を理由に式典を欠席した。

 自動車輸出で貿易黒字を稼ぐ一方、安全保障では米国にタダ乗りしている-。こうドイツ批判を繰り広げるトランプ米大統領は、欧州連合(EU)を「ドイツの道具」として懐疑の目を向け、北大西洋条約機構(NATO)加盟国としての国防費支出増を求める。

 そんなトランプ氏に、メルケル独首相が臆する気配はない。今年5月の米ハーバード大での演説では、87年に当時のレーガン米大統領がベルリンの壁付近で「この壁を壊しなさい」とソ連に訴えた有名な言葉になぞらえ、「頭の中の無知と偏狭の壁を壊しなさい」とトランプ氏を批判し、多国主義の重要性を唱えた。

 「米国はドイツ存続に関わる最重要パートナーだったが、今や価値観で対立する。全く新たな局面を迎えた」。冷戦終結を挟み、対米関係に長年従事した知米派の重鎮、カルステン・フォイクト元独連邦議会議員(78)は独米関係の現状の深刻さをこう嘆く。

 敗戦で東西に分断されたドイツでは西ドイツがNATOや自由貿易体制など米国の庇護(ひご)の下で民主主義を定着させ、繁栄を享受。東西統一には英仏が強大なドイツの復活を警戒したが、米国は一貫して支持し、欧州統合も後押しした。

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