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【主張】韓国の法相任命 「法の支配」の原則に還れ

ソウルの国会で開かれた聴聞会に出席したチョ・グク氏=6日(聯合=共同)
ソウルの国会で開かれた聴聞会に出席したチョ・グク氏=6日(聯合=共同)

 韓国の文在寅大統領が側近の●国(チョ・グク)氏を法相に任命した。●氏には娘の進学に関する不正疑惑などが浮上しており、検察は●氏の妻を私文書偽造罪で在宅起訴している。

 韓国国民の多くが法相任命の強行に反発しており、来春に総選挙を控える文政権の運営にも多大な影響を与えそうだ。

 この混乱を招いたのは、文政権による「司法」の恣意(しい)的運用であり、その意味ではいわゆる「徴用工」問題の理不尽と同根である。文政権は「法の支配」の原則に還(かえ)る必要がある。

 ●氏は大統領府民情首席秘書官を務めた文氏の最側近だ。文氏自身、政治的な師にあたる盧武鉉大統領時代に同じポストを務めた。文氏が法相抜擢(ばってき)の●氏に求めているのは検察改革、検察の起訴権限の縮小である。

 一方で●氏の妻の起訴などを指揮したとされる尹錫悦検事総長を抜擢したのも文氏だ。

 尹氏は李明博、朴槿恵の元前大統領の事件を指揮したことで文氏に高く評価され、ソウル中央地検検事正から高検検事長を経ずに検事総長に引き上げられた。任命に際して文氏は「生きている権力に対しても厳正に対処しなくてはならない」と指示したとされる。皮肉なことに尹氏は現在、これを忠実に守っていることになる。

 同様のことは、「徴用工」訴訟をめぐっても起きていた。

 日韓請求権協定で解決済みの「徴用工」問題について、日本企業への賠償命令を確定させた韓国最高裁の長官は、文氏が地裁所長から大抜擢した人物である。朴政権時代に確定判決を出さなかった前長官は、判決を遅らせたとする職権乱用容疑で逮捕された。

 人事への介入で司法を政権の意のままに動かそうとするのは、保守、革新陣営にかかわらず、韓国政治の悪弊である。大統領の多くは退任後に捜査の対象となってきた。文氏の師、盧武鉉氏も悲劇的な最期を遂げた。

 「法の支配」とは、国家権力そのものも法に拘束されるという基本的な理念である。統治する側の恣意的な運用は許されない。国際法を無視した「徴用工」の問題はその典型例である。

 法の支配はまた、民主主義や基本的人権などとともに普遍的価値を共有するための主要な要素である。文政権は、この原則から大きく逸脱している。

●=恵の心を日に

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