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【遠藤良介のロシア深層】プーチン流「疑似民主主義」

 反体制派の立候補登録には、地方議員の署名を多数集めねばならないといった高いハードルがある。対抗馬は親大統領の「体制内野党」からの候補者だけであり、仮にプーチン氏が決めた与党候補が敗北しても打撃は限定的だ。

 今回の統一地方選については「与党圧勝の勢い」と報じられている。それはしかし、事前の首長すげ替えを含むさまざまな策を弄し、政権が必死のてこ入れを行った結果だ。もはや20年近くとなったプーチン体制の綻びは、今回の選挙結果をもっても変わらない。

 モスクワ市議選(定数45)をめぐっては7月、反体制派の10人以上が市選管に候補者登録を拒否された。議会に議席を持たない政党の候補者には大量の有権者署名を提出することが義務づけられており、それに不備があったとされる。

 モスクワでは8月にかけて断続的に抗議デモが起き、多い時には5万人が参加。治安当局に拘束された者は2千人を優に超える。

 中央集権の進んだロシアで、モスクワ市議会が重要な役割を担ってきたとはいえない。それにもかかわらず、人々が公正な選挙や地方自治を求め、声を上げ始めた事実は重い。

 「疑似民主主義」の限界を認識せねば、政権は遅かれ早かれ手痛いしっぺ返しを受けるのではないか。(外信部編集委員兼論説委員)

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