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【主張】南シナ海「占拠」 中国は国際法違反やめよ

中国の習近平国家主席(右)とフィリピンのドゥテルテ大統領=8月、北京(AP、ロイター)
中国の習近平国家主席(右)とフィリピンのドゥテルテ大統領=8月、北京(AP、ロイター)

 フィリピンのドゥテルテ大統領が8月29日、中国の習近平国家主席と会談し、南シナ海問題での中国側主張を全面的に退けたハーグの仲裁裁判所の裁定を順守するよう求めた。だが、習主席は応じなかった。

 中国は、南シナ海で人工島をいくつも造成して領土だと言い張り、滑走路を建設し、ミサイルを配備するなど軍事拠点化を進めている。れっきとした国際法違反である。

 仲裁裁判所はフィリピン前政権の提訴を受け、2016年7月に中国全面敗訴の裁定を出した。同年就任のドゥテルテ大統領は中国に配慮し、裁定を持ち出そうとしなかったが、ようやく今年に入り裁定を掲げるようになった。遅まきながら妥当である。

 だが、裁定を「紙くず」「政治的茶番」と非難してきた中国は態度を改めようとしない。裁定3年後の今夏、中国は南シナ海を舞台に、空母キラーとされる対艦弾道ミサイルの発射演習を初めて行った。領土、領海に関する中国の一方的な主張を認めない米国に反発したもので、重ねて裁定を拒否する思惑もあったのだろう。

 米国は南シナ海でイージス艦などによる「航行の自由」作戦を続行中だ。米国務省報道官は7月、南シナ海支配を図る中国について「他国の安全を脅かし、地域の安定を損ねている」と非難した。人工島の軍事拠点化は、習主席が15年の訪米時にこれを否定した約束に反しているとも指摘した。

 日米を含む多くの国が海上交通路(シーレーン)とする南シナ海はインド太平洋の中央部に位置する。インド太平洋地域の繁栄の基盤として「自由で開かれた海」であらねばならない。

 英仏やオーストラリアは米国の「航行の自由」作戦を支持し、海軍艦船や航空機を南シナ海へ派遣してきた。日本も海上自衛隊を派遣し、5月には米、インド、フィリピンの海軍と共同訓練を行った。6月には海自ヘリ空母「いずも」と米空母が訓練を行った。今月2日からは米海軍と東南アジア諸国連合(ASEAN)の初の合同演習が始まった。いずれも中国を牽制(けんせい)するねらいがある。

 国際社会は、フィリピンなど沿岸国と連携し、外交努力や共同訓練など安全保障協力を通じて、中国の不法な南シナ海支配の動きをあくまで認めない姿勢を明確に示し続けなくてはならない。

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