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中国、面子より混乱収束を優先もデモ収束は不透明 香港

香港の林鄭月娥行政長官が、テレビ演説で「逃亡犯条例」改正案を正式撤回すると表明する中継を見る男性(AP)
香港の林鄭月娥行政長官が、テレビ演説で「逃亡犯条例」改正案を正式撤回すると表明する中継を見る男性(AP)

 【香港=西見由章】香港政府が「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を決めた背景には、後ろ盾である中国政府の方針転換がありそうだ。香港で抗議活動が拡大を続ける中、10月1日の建国70周年祝賀行事が迫っており、習近平指導部はメンツよりも混乱の早期収束を優先させた形だ。

 これまで中国政府は条例案の扱いについて「(審議の)延期」と一貫して表現し、完全撤回は認めない立場をとってきた。香港政府の決定を中国当局が容認したことについて、北京の政治学者は「デモ隊の一部の要求に応じており、問題解決に向けた積極的なシグナルだ」と説明。建国70周年を前に中国側が「早期解決を促した」と指摘した。

 中国の習近平国家主席は共産党の幹部養成機関、中央党学校で3日演説し、中国が経済や香港、台湾、外交などの分野で「さまざまなリスクが集中的に現れる時期に入った」と言及、こうした問題が「ますます複雑になっている」と危機感をあらわにしていた。

 北京の天安門広場周辺では7、8両日に祝賀行事のリハーサルを行う予定で、建国70周年に向けた準備が本格化。また、トランプ米大統領は香港問題の平和的解決が貿易協議妥結の条件と主張しており、貿易摩擦がエスカレートする中で協議妥結に向けた意志を示す思惑もありそうだ。

 香港ではデモに対する賛否で社会の二分化が進み、双方の対立が激化している。その中でデモ隊の強硬派と穏健派はいずれも、条例撤回のほか警察当局の暴力に対する独立調査委員会の設置など「5大要求」について「一つも欠かすことはできない」と主張。SNS上でも「政治的なわなだ」と香港政府への疑念を示す声が上がっており、抗議活動が収束に向かうかは不透明だ。

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